GrindHouse magazineが商業誌形態だった頃に長らく連載してた人気コーナー、
TATTOO Museumを久方ぶりに、かつ拡大版でここに復刻! 8年近くもタトゥーに
関する話を聞いてなかったBULLET FOR MY VALENTINEのマイケル“ムース”
トーマスに、その記念すべき復刻第1回に登場願った。

――前と比べると、ずいぶんタトゥー増えたよね。
「確かに(笑)。いいアイディアが浮かんだときに入れて
もらってきた結果さ。実はマット(・タック/vo,g)と同じタ
トゥーアーティストに入れてもらってるんだ。学校に通っ
てた頃からの友だちでさ。彼のタトゥーショップは大人気
の繁盛店だから(笑)、時間あるときを見計らってね。なー
んも考えずにタトゥーを入れるわけにはいかないよ。以前
それをやっちゃって後悔したから(苦笑)。今はザ・マペッツ
のデザインを足に入れてる最中なんだ。すでに6体入れ
てて、イギリスに戻ったらさらに増やすよ」

――あのディズニーのキャラクターのザ・マペッツ?
「そう。“オマエにゴンゾを入れてやるよ”って言われ、“オッ
ケー!”って答えたんだ。そこから発展していったんだよね」

――早っ! まさに即断即決(笑)。
「まだ完成してないんだ。これまでのところイイ感じで入れ
られてるね。時間があるときにしかやってもらえないから、
少しずつしかできないんだ」

――まぁザ・マペッツは別として、ほかのタトゥーのデザイ
   ンは当然自分で考えるんでしょ? それともタトゥーアー
   ティストからアドバイスを受けたりして?
「ボクはいつも事前には決まらないんだよなぁ…だからタ
トゥー・アーティストの言われるがままって感じ(苦笑)。単
にその場に座ってるだけ。右上腕部のはすべてフリーハン
ドで入れてもらった。“ウジ虫もついでにお願いしまーす”と
は頼んだけどね(笑)。左上腕部んところもほぼフリーハンド
だね。“スカルと花は入れて”とだけ言った」


――あんま考えてないんだ(笑)。ロサンゼルスのハリ
   ウッドブールヴァード沿いにいわゆるタトゥーパー
   ラーがたくさんあるじゃない? 店内にたくさんデザ
   インのサンプルが貼られてて、観光客とかはノリで
   そのデザインのひとつを選んで“コレを入れて”って
   やったりするけど、そんなことしたことないよね?
「あるよ(笑)。だけど、もう2度とやらない(笑)。今そのタ
トゥーを消そうとしてるんだ。試しに消せるかどうかのテス
トをしてもらったら大丈夫だったんでこれは消すよ。まさ
に最先端技術に感謝だね」

――ムースが入れてるタトゥーのどれかに深い意味を込
   めてるものってある?
「いくつか意味があるものがある。右上腕部のデザイン
にはJUDAS PRIESTの『PAINKILLER』(90年)に対す
るオレの想いが込められてる。1番好きなメタル作の1枚
で、とても思い入れのあるタトゥーでもあるんだ。そして、
この右手首裏んところに入れてるのが昔フロリダでやっ
たヤツ。さっき言った、まさにサンプルから選び入れたも
のさ(苦笑)。家に帰ってから“助けて! 誰か、どうにかして
くれ!”って周りに泣きついたよ(笑)。あと、子供の名前も入れ
てる。もちろん思い入れがあるから。それからMETALLICA
の “Wherever I May Roam”(91年発売『METALLICA』収録)
の歌詞を背中に入れてる。これにも深い思い入れがある。
昔、一緒に住んでた彼女がある日浮気してることが発覚し
てさ。子供までいたのに…。これはつまり、その彼女に対す
る捨て台詞みたいなものさ。同じ間違いは2度しないってね」


――それはけっこうエグい話だね。その彼女じゃなくとも、
   つき合ってた彼女の名前をタトゥーで入れたことがあ
   る…なんてないよね(笑)?
「ないよ。子供の名前をタトゥーで入れたとき、その問題の
彼女が“なんでワタシの名前を入れないのよ”って文句顔
だったけど、“子供たちは一生オレのもんだけど、オマエは
どうかわからない”って言ったぐらいだから」

――それ面と向かって言ったの?
「うん。だって事実だもん。人生でどんなことが起きようと、
オレの子供たちだという事実は変わらないし、消えもしない。
だけどその彼女は…ボクの前に表れ、そして去っていった
わけだから…」






文・有島博志/text by Hiro Arishima
translation by Kyoko Matsuda
photography by Masanori Naruse