新作が好調なAMARANTHEが、
LOUD PARKに2度目の出演!

新しく加入したヘンリク・エングルンド(scream vo)、そして
彼とともに制作した新作『MASSIVE ADDICTIVE』を引っ提げ、
LOUD PARK 14への出演を果たしたAMARANTHE。新作の
チャートアクションや、LOUD PARKでの熱演を見て、彼らが
まだまだ上へと駆け登っていく途中なのだと思い知らされた。
LOUD PARKの前日である10月17日、いつも取材に応じてく
れているジェイク(clean vo)、エリーセ(female vo)、そして
オロフ(g)の3人に話しを聞いた。

(質問前にいきなり)
ジェイク「さて、今日のインタヴューはスウェーデン語でやろうか」

――あなたたち三人しか話せないですよ(笑)
ジェイク「じゃあ次の機会までの課題だな。大丈夫、英語よりも簡単だから
すぐ話せるようになるよ(笑)」

――せめて挨拶くらいは覚えておくようにしますね(笑)。LOUD PARK出演
は2回目になりますけど、今回はヘンリクのお披露目でもありますね。体調
や準備は万全ですか?
エリーセ「飛行機は昨日(10/16)の夕方についたんだけど、荷物チェックや
税関で時間がかかっちゃって、やっと空港から出られた頃にはもう夜になっ
ていたの。すぐにミーティングを兼ねて夕食をとったんだけど、疲れのせい
でみんなゾンビみたいな顔だった(笑)」
オロフ「いつもなら飲みに出たりして、遅い時間まで楽しむんだけど、フライ
トに20時間もかかったからね。しかも機内で眠れなかったから、みんな本当
にクタクタだったんだ」
エリーセ「だから夕食もホテルのラウンジでとって、部屋に入ったらすぐに
寝ちゃった。おかげで疲れも取れたから、今は元気よ」
ジェイク「普段は誰かしらがハメを外すものだけど、やっぱり日本でのライヴ
は特別だから。いつも以上に万全の態勢で臨みたいんだ。それはメンバー全
員がわかっているから、特に体調管理には慎重になるよ」
オロフ「特にLOUDPARKとなるとね。前回は2011年に出たけど、あれが僕た
にとって、初の屋内でのフェス出演だったんだ。すごく楽しかったのを覚えて
いるよ。今回はヘンリクが加入して初めて、日本のみんなにライヴを観てもら
うわけだし、すごく楽しみだよ。実はヘンリク自身も日本に来るのは初なんだ
けど、事前にいかに日本が素晴らしいかを聞かせていたから、彼ももう待ちき
れない様子なんだ(笑)」

――でも、ヘンリクは、今もSCARPOINTのメンバーでもあるんですよね。
AMARANTHEの活動との兼ね合いはどうなるんでしょう?
ジェイク「SCARPOINTはあくまでスタジオバンドなんだ。俺のDREAMLAND
やオロフのDRAGONLANDも、基本的にツアーはやらずに音源を発表するか
ら、同じ感じだね。AMARANTHEの活動には特に支障はないよ」

――なるほど。では、ヘンリクを迎えて制作した新作『MASSIVE ADDICTIVE』
について、オロフとしてはかなりの自信作だそうですが、ジェイクとエリーセは
どうですか?
ジェイク「オロフと同感だよ。本当に素晴らしい作品になったと思う。この新作
で、AMARANTHEは偶然やまぐれでブレイクしたバンドではなかったと証明で
きたと思う。俺としては、今回はあまりプレッシャーも感じずにできたんだ。むし
ろ前作の『NEXUS』(2013年)を作るときのほうが、よっぽど緊張した。プレッ
シャーを感じていると、まずそれを乗り越えるためのプロセスが必要だから、
どうしても時間がかかるんだ。今回はそれもなかったおかげで、すんなり制作
に取りかかれたし、よかったよ」
エリーセ「アルバムの出来栄えについては、私もまったく同じ。でも、私はプ
レッシャーを感じていたわ。よく“3作目は重要な作品”と言われるでしょう? 
AMARANTHEはこれからもまだまだ進化の可能性があることを見せなけれ
ばならないから、それについてはかなりナーヴァスだった。でも、今回は曲作
りの面でも、個人的に成長できたと思うの。今まではアイディアを出すのにも
勇気が必要だったけれど、そういったこともなかったし」

――過去2作品での実績や経験が、その勇気や自信につながっているんで
しょうね。
エリーセ「その通りね。たくさんの経験を積んで、いろいろなものに触れたおか
げで、このバンドがいかにユニークな存在なのかを認識できたんじゃないかと
思う」

――エリーセの制作に取り組む姿勢が変わると、オロフやジェイクもまたこれ
までと違った刺激を受けたのでは?
オロフ「やはりエリーセの声そのものや、歌へのアプローチが変われば、当然
曲にも影響を与えるよね。エリーセは自分のアイディアを出す勇気が身につい
たと言ったけど、僕としては、新作で彼女の個性をより強く出すことができたと
思う。前作までは、すごく慎重にやっていたんだ。自分たちのことを、まだ完璧
に理解していなかった。エリーセが作ったメロディラインを、ジェイクが歌うことも
あったしね。今回はエリーセの個性がしっかり反映されている作品にできたんだ」

――新作ではプログラミングがより増えましたし、そのアプローチや使い方にも
変化がありましたよね。バンドの出自であるメタルの要素はキープしつつ、より
外に目を向けた作風だと感じました。
オロフ「たしかにAMARANTHEはヘヴィなバンドのカテゴリーに入れられること
が多いけど、そこから外れていっているようにも感じる。どんな人でも気に入って
もらえるような音楽を目指しているところが、全員にあるし」
エリーセ「私はジャンル関係なく“いい音楽”が好きなの。だからミュージシャンとし
てのキャリアでも、自分らしさをしっかりと出していけばいいと思う。AMARANTHE
もメタル以外の要素がたくさん入っているし、新作ではEDMにインスパイアされた
部分が多いけど、そういった音楽のファンにも聴いてもらえたらうれしいわ。幅広い
層の人にAMARANTHEを知ってほしいし、実際、メタルの外にもアプローチできて
いると思う」

――自分たちの音楽が、リスナーにとってほかのジャンルに触れるきっかけになっ
てほしいというバンドもいます。そういうことを意識したことはありますか?
ジェイク「う~ん、そういう考えをしたことはないな。むしろ、ジャンルの橋渡しをす
ることを意図しているバンドがいることに驚いたくらいだよ。とはいえ、AMARANTHE
はそうした役割を担っていると思う。メタルを初めて聴くには、俺たちはまさにうっ
てつけだよ。AMARANTHEをきっかけにメタルにハマって、どんどん深みにはまっ
て、最終的にCRADLE OF FILTHのようなブラックメタルに辿りつく人だって、いる
かもしれないわけだしさ」
オロフ「逆のパターンもありえるよね。実際、すごくストイックなメタルのリスナーが、
AMARANTHEによってほかのジャンルも聴くようになったケースもあるんだ」
エリーセ「でも、それが目的ということではないの。あくまでAMARANTHEとして、
独自の、そしていい音楽を追求しているだけのことなのよね」
オロフ「同じことが、曲を作るときにも言えるよね。バンドが売れて成功することを
意識していたら、絶対に自分が納得する曲はできない。あくまでも曲は頭ではなく、
心から生まれるものだと思うから、考えすぎるのはよくないよ。心が入っていない
音楽をやる意味はないからね」

――新作によって、今後はどんな方向にも進める自由さを手に入れたのではない
ですか?
エリーセ「まさにそう。バランスを保ってさえいれば、どんなことにも挑戦できると
思う。例えばギターやベース、ドラムをカットして、よりEDMなアプローチを取るこ
ともできるし、逆にメロディとエレクトロニクスをなくして、デスメタルをやることもで
きる。そういった選択肢の多さも、強みのひとつよね」
ジェイク「そう、すべてを取っ払って静寂を作ることもできるのさ(笑)」


text by Yusuke Mochizuki
translation by Mariko Kawahara
photography by (C)LOUD PARK All Rights Reserved.


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