デビュー20周年を迎えたDEFTONES、これまでと現在

11月に二日間に開催されたKNOTFEST Japan 2016にて、初日、大トリSLIPKNOTの前に登場し、さすがの貫録を見せつけたDEFTONES。最新作『GORE』も絶好調だ。昨年、デビューから20周年を迎えた彼らだが、その姿勢は相変わらず。その存在感と影響力の大きさを実感した次第。ライヴの前、エイブ・カニンガム(ds)とともに、珍しくフランク・デルガド(dj,samples)が取材に応じてくれた。

――2013年のOzzfest Japan以来、3年ぶりの日本ですね。
エイブ「同じ会場だったよね、たしか」

――あなたたちが日本に初めて来たのは97年でしたが、その後は2006年にSUMMER SONICに出演するまで、9年も間が空いてしまいました。でもそれからは、わりと2、3年おきに来てくれていますよね。
フランク「そうだね、以前よりも日本を身近に感じるし、慣れてきたと思う。とはいえ、そんなに頻繁に来られているわけでもないのは残念だよ」
エイブ「以前はちゃんと何公演かやるツアーができていたのが、最近はフェスのためだけになっているのももったいないよね。とはいえ、贅沢は言っていられないけどさ」

――Knotfestには、2012年のSLIPKNOTの地元アイオワで開催された第1回のほか、今年10月のメキシコ、そして今回の日本に出演しています。SLIPKNOTはとてもエクストリームで、DEFTONESとは違ったヘヴィさを持つバンドですが、彼らが主催であるとか、フェスの趣旨に合わせてやることを変えたりはしますか?
エイブ「多少は意識して、曲を変えたりはするよ。でも、あくまで自分たちらしくやることで、逆に目立つことができるかもしれないとも思っている。それに、持ち時間も50分くらいと、かなり限りがあるからね。とにかく曲をたくさんやることを念頭に置いているんだ。曲、曲、曲、酒、また曲って感じ…なんてね(笑)」

――今は新作『GORE』のツアー中にあたるんですよね。調子はどうですか?
フランク「すごくいいね。俺たちも誇りに思っている作品だからうれしいよ。今のところ、新作からは8曲くらいを選んでセットリストに組みこんでいるんだけど、どれも好意的に受け入れてもらっていると思う。来年からは、もう少し曲のヴァリエーションを増やすのもアリかなって考えてるんだ」

――振り返ってみると、DEFTONESは、2015年にデビューから20周年を迎えました。決して平坦な道のりではなかったと思いますが、20年も同じバンドを、ほぼメンバーチェンジなしでできると思っていましたか?
エイブ「こんなに続くだなんて、全然思っていなかったよ。だって、曲なんてろくに書けないような状態から始まったんだからさ(笑)。最初は自分たちの地元で、そこから次は隣町へ、隣の州へ、隣の国へ、隣の大陸へ…とひたすらやっていたら、ここまで来たっていう感じだね。でも、こうやって世界中いろいろなところに行って、いろいろな人たちと出会って、いいことも大変なこともあったけど、楽しんでやってこれたよ。今も、好奇心は衰えてないしね」

――通常、バンドというものはインディーでの作品リリースやツアーを経て、メジャーデビューをするものですよね。でもDEFTONESはマドンナのやっていたMaverick、それとKORNはEpicと、いきなりメジャーでした。やはり当時はグランジが終わり、新しい世代であるあなたたちにそれだけ期待が大きかったということでしょうか?
エイブ「たしかに、少し特殊なケースだったかもね。でもデビュー前に5、6年くらいの下積みというか、アマチュアの期間もあったから。その頃も、とにかくライヴの数を増やすことに考えが向かっていたから、あまり音源のことは頭になかったんだ(笑)。それと、Maverickはたしかにメジャーだったけど、当時はまだまだ小さな会社だった。それもあって、そんなにいきなりメジャーデビューしたっていう感覚がないんだよね」

――フランクは最初、サポートを経てメンバーとして加入しましたよね。ほかのメンバー同様、もともと同じ地元の仲間だったという感じですか?
フランク「俺は出身ではなくて、サクラメントに引っ越してきたんだ。それでメンバーのみんなとも仲良くなって、制作やツアーにサポートとして参加して、そのまま加入したっていう感じだよ」
エイブ「クレジットされているか忘れちゃったけど、デビュー作の『ADRENALINE』の制作から、アレンジには関わってくれていたんだ。ツアーも当時からいっしょに来てくれていたよ」

――フランクのDJプレイといえば、スクラッチをやらないことで有名ですが…。
フランク「(通訳される前に)お、今のは分かったぞ。スクラッチの話しだな(笑)」

――そうです(笑)。DEFTONESはヒップホップからも影響も受けていると思うんですけど、スクラッチをしないDJって珍しいですよね。
フランク「たしかに言ってくれたように、あえてスクラッチをしないことは俺の個性のひとつだと思っているよ。昔はスクラッチも取り入れた、いかにもヒップホップのDJという感じのこともやっていたんだけどね。成長して、人とはちがったことをやるにはどうしたらいいのかを考えて、典型から踏み出すことに行きついたんだ」

――だからこそ、DEFTONESの音楽は表面を飾るのではなく、よりディープな表現をできているのかなと。
フランク「バンドに新しい要素を持ちこめたと思っているよ。そして、バンドをプッシュし続けている自負もある。そして君が言ったように、DEFTONES以降、同じようなことをやるヘヴィなバンドが増えたのも事実。だから、ひとつの型のようなものを作ることができたんじゃないかな」
エイブ「そうだね。自分たちを新しい領域に推し進めていくことは大事だし、それがまた楽しいんだよね。まぁ、たまにケンカになったりもするけど(笑)、僕たちは兄弟のようなものだし、問題ないさ」

――今年新作を出したばかりですが、来年の予定はどうなっていますか?
エイブ「まだまだツアーが続く予定だよ。それと並行して、少しずつでも新しいアイディアをためて、意見交換はしていくんじゃないかな。まだ次の作品のことはなんとも言えないけど、お互いを刺激し合って、バンドが錆びつかないようにしておくべきだと思うし。あとは、また日本でフルセットのライヴをやりに戻ってこなきゃね」


text by Yusuke Mochizuki
translation by Kazumi Someya
photography by ©KNOTFEST JAPAN