再びの絶頂期のただなかにあるKsEから、
アダムとジェシーを直撃!!

お待たせしました! 4月に最新作『DISARM THE DESCENT』を
伴っての、待望の来日ツアーを大成功させたKILLSWITCH EN-
GAGE(KsE)から、アダム・デュトキエヴィッチ(g,vo)とジェシー・
リーチ(vo)のインタヴューを公開! ここに書いただけでなく、話
しの合間ごとにふたりは顔を見合わせてニヤニヤするわ、小突
きあうわと、異様な仲の良さを見せつけていた。とにかく、バンド
がいろんな意味で絶好調であることがわかってもらえると思う。

――まず、今回の日本ツアーの前に、バンドのfacebookで「ジャスティンは
肩のケガのために、ツアーに同行しない」というアナウンスが出されていまし
た。でも実際にはジャスティンが普通にドラムを叩いていましたが(笑)、何が
あったんでしょうか?
ジェシー「あれ? 本当に? それは知らなかったな。たしかに去年の夏のフ
ジロックでは彼は来られなかったけど…」
アダム「あのときは出発の1ヵ月前に、バイク事故で肩を痛めたんだよな」
ジェシー「ヘルメットをしていたからよかったけど、頭も打ったし、けっこうな
大ケガだったから、よく覚えているよ。もしかしたら、その情報が間違って更
新されたのかもしれないな」

――特に後遺症などもなく、今は問題ないんですね。僕の周囲でもかなり
話題になっていたので心配していましたが、安心しました。
ジェシー「ありがとう、もう大丈夫さ。全然問題ないし、バンドは万全だよ」
アダム「もう本人も、事故があったことを忘れているんじゃないかってくら
いだね。頭を打ったから、記憶が飛んで、本当に覚えていないのかもしれ
ないな(笑)」

――こうして実際に会って話をして、ライヴを観てみると、今のKsEは本当
にポジティヴな空気のなかで、楽しみつつ活動しているのがわかりますね。
やはり昔と比べると、いろんなことが変化したことを実感していますか?
ジェシー「オレは10年の年月を経てKsEに復帰したけど、それだけの時間
があれば、やっぱり人間は変わるものだからね。人としてはもちろん、シン
ガーとしても成長できたと思っている。今は、昔あったような問題も起こって
いないし、みんなでバンドをやることを、すごく楽しめているんだ」
アダム「最初期の頃と比べると、やっぱり色々と変わったと感じるよ。オレた
ちも、昔は何も知らないただのガキだったわけでさ。ジェシーも、オレたちほ
かのメンバーも、学ばなければならないことがあまりにも多過ぎたんだろう
ね。経験もなかったから、コンディションをどうやって保ったらいいのかも、
お互いの距離の取り方もわからなかった。ジェシーは一度、KsEのシンガー
として燃え尽きてしまったんだと思う。今は彼自身も言ったように、みんなが
成長したし、ひとりのアーティストとして、大人としてやり方を確立できたん
だな」

――ジェシーはKsE脱退後、SE-
EMLESSやTHE EMPIRE SHALL
FALL等で活動していましたよね。
またゼロからバンドを結成して活動
することで、学んだことも多かった
のではないでしょうか?
ジェシー「だと思う。SEEMLESSで、
1年半くらいかけた長いツアーを経験
したからね。あれでいろんなことを身
につけることができた。狭いバンで移
動しながら仮眠を取ったり、崩れかけ
のようなホテルに泊まったり…そんな
毎日を、新しい仲間たちといっしょに
過ごしたのは大きかったね。でも、オ
レにとって最も大きなことは、2011年
にアダムといっしょにTIMES OF GR-
ACEをやったことだと思う。オレ自身、
それまでになかった歌い方や声を見
つけることができたし、KsEを脱退し
て以来、久しぶりにアダムといっしょに
音楽を作ってツアーに出ることができ
たんだからね」

――歌い方だけじゃなく、メンタル的な面や作曲の面でも、TIMES OF GRACEが
今のKsEに影響を及ぼしている部分は、ハッキリとあると思いますか?
ジェシー「自分でも気付いていなくとも、何かしらの影響はされていると思う。でも
それは意識したことではなくて、自然と湧き出たものなんじゃないかな。アダムと
いっしょに曲を書くことで、いちソングライターとしても発見があったし、お互いをま
た認め合うことができたんだ。オレたちの間には、どんなケミストリーがあるのか、
もね。でもオレはTIMES OF GRACEをひきずるのではなく、あくまでKsEのアル
バムを作りたかった。アルバムを出したときに“どちらも変わらないじゃないか”と
言われることだけは避けたかったから、それを念頭に置いたね」
アダム「TIMES OF GRACEは、オレにとってすごくパーソナルなプロジェクトで、
体から自然と出てきたものをそのまま曲にしたんだ。だからどういったアルバム
を作ろう…という構想があるものではなかった。もしまたTIMES OF GRACEをや
るとしたら、もう一歩踏み込んだ、深いものにしたいね。KsEとはまったく違う、よ
りアトモスフェリックでメロウな作品を作ってみたい。でもKsEは、アグレッシヴな
メタルバンドだ。もともとどんなどころから出てきたバンドなのか、そしてファンが
どんなものを求めているのか、を意識しているのは事実だよ。それによって、差
別化はできていると思う」

――アダムは、プロデューサーとしても
活動していますよね。アーティストとは
違った目線で、シーンやほかのバンドを
見ることもできると思います。新作を制作
する際、KsEとして久しぶりのアルバム
だし、しかもジェシーが復帰して初の作
品だから、今こそ自分たちの存在感を
見せつけるときだ…という気概もあった
のではないでしょうか?
アダム「う~ん、オレたちはそういったマ
インドがないバンドなんだよな。ほかのバ
ンドの連中に対してライバル意識を持っ
たり、ましてや自分たちの力を誇示する
ようなことをしようとは思わないよ。アルバ
ムを作るときには、自分たちにでき得るベ
ストを尽くすだけさ。とにかくクオリティの
高いものを作って、自分たちにとって足り
ないものや弱点となるものを克服するこ
とを目指したんだ。ほかと比べてどう…と
いうよりかは、自分たちをさらに高めてい
くようにしたいと思うね」

――新作の曲はまだハワード(・ジョーンズ/現DEVIL YOU KNOW)がいる
ころに作られたとのことですが、いざジェシーが歌うことになった際、けっこう
いろいろとアレンジを変えたり、構成を組み直したりはしましたか? アダムの
ヴォーカルもそこここで入っていますが、やはりジェシーとのコンビネーション
を考慮して、歌い方を変えてみたりとか…。
アダム「さぁ、それはどうかなぁ(笑)。でも、オレはこれまで誰が歌うとか、こん
な声がここに入ってほしい…とか、ヴォーカルの入れ方を意識して曲を書いた
ことがないんだ。ヴォーカルとのケミストリーは、曲ができあがって、そのとき
のシンガーが自分の書いた歌詞やアイディアを注ぎ込むことで生まれるもの
だと思っているよ。だから、新作の曲もジェシーの持ち味がしっかりと出ている
はずさ」

――最後に聞きたいんですけど、ジェシーがKsEを離れて、別々のバンドで活
動している間、お互いのことをどう思っていたんでしょうか? もちろんお互いを
リスペクトして、応援する気持ちはあったと思いますが、「あいつには負けてら
れない!」みたいな、ライバル心はなかったんでしょうか?
アダム「これはまたいじわるなことを聞くな(爆笑)」
ジェシー「オレが脱退した後、一気にスターになったKsEとオレの別のバンドじゃ、
比べものにならないよ(笑)」
アダム「よく言うよな(笑)」
ジェシー「とはいえ、仮に同じくらいの知名度のあるバンドをやっていたとしても、
そういったことにはならなかったと思う。音楽というものは自己表現であり、アー
トだからね。音楽で競争するようなことは間違いだし、するべきではないと思うよ」
アダム「ジェシーは、人間として大好きなヤツだからね。悪い感情を持ったりは
しないし、ましてや“お前のバンドなんか、失敗しちまえ!”なんてことは絶対に思
わないさ(笑)」


text by Yusuke Mochizuki
translation by Mariko Kawahara
phorography by Masayuki Noda


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