3年連続で来日するオーストラリアの
4人組はライヴ・シーンで人気を集める実力派!!

NIRVANAをはじめとする90年代のオルタナ・ロック・バンドが
持っていた魅力を現代に蘇らせるLUCY'S CROWNが7月1日
の下北沢レッグ公演を皮切りに3度目の来日ツアーを実現さ
せる。紅一点シンガー、ルーシー・ブルー率いるこのオースト
ラリアの4人組は2009年の結成以来、精力的に行ってきたラ
イヴ活動が歓迎され、人気を集めているという。今回はバンド
を代表して、バンドの顔とも言えるルーシーにインタビュー。
目前に迫った来日ツアーの意気込みなどを語ってもらった。

――2012年から毎年、来日ツアーを行っていますね?
「2012年11月に東京で開催された『Japan Music Week』というフェスティ
バルに招待されたのがきっかけよ。東京とその近郊のライヴハウス40か
所で10日間にわたって開催され、国内外の250組のバンドが参加したん
だけど、私たちはこのフェス期間中に計6公演やって、いい評価をもらえた
おかげで、翌年の7月に再び日本公演の声がかかったのよ」

――きっとはじめましてという読者もいると思うので、LUCY'S CROWNと
いうバンドのことについて教えてください。まずメンバー紹介をお願いします。
「LUCY’S CROWNは4人編成のバンドで、まず私、ルーシー・ブルーがバ
ンドの音楽作りを担当している。性格はもの静かで、どちらかと言うとシャイ
なタイプだけど、ステージに立つともの静かで引っ込み思案の性格はどこ
かに吹っ飛ぶみたい(笑)。普段はほかのバンドのライヴを観にいったり、飲
んだり踊ったりするのが好きよ! 次がギタリストのマーカス・“ロケットマン”・
ラギング。バンドの冒険家でプレイステーションとトランスフォーマーを愛し
てる。ベースのソニー・キングはベース以外にもバイクにも大きな愛情を注
いでいる。バンドの活動にビジネス的な案件が持ちあがると彼の出番。手際
よく片づけてくれる。でも酒飲みで美味しいものを食べるのが好きだから、友
だちとしょっちゅうパーティしては騒いでいる、とても楽しい人! 最後にパンチ
が効いたドラマーのクリスティアン・ナティヴォ。彼はバンドのジョーカー的な
存在。とても楽しくて社交的な人。ツアー中の新しい出会いや友達作りは彼
の担当よ。会話を人と楽しむのが好きなのよ。ソニー同様にバイクの趣味も
あるわ」

――LUCY'S CROWNは、ルーシーさんが友だちと始めたバンドだそうですね。
「私が最初に出会ったのはソニーだった。共通の友人がいたの。音楽につい
てお喋りしていた時に、もしよかったら私が書いた曲を一緒にジャムってもら
えない? って誘ったのよ。私たちの強固なパートナーシップの始まりはこれ
だった。その頃、ソニーはメルボルンでマーカスやクリスティアンと一緒にイ
ンプロ中心のバンドをやっていて、ある晩、私も観に行ったの。彼らのやって
いる音楽がすごく気に入って、マーカスとクリスティアンのふたりもジャムに
誘い、みんなで合わせてみたところ、そのサウンドのユニークさに気づいた。
それぞれが別々の音楽的な背景を持っているからこそ生まれるユニークな
サウンド。それがすごくいいと思ったの。それからずっと一緒で今に至るとい
うわけ」

――LUCY’S CROWNのサウンドからは90年代のオルタナ・ロックの影響が
窺えますね。
「たしかに90年代のオルタナ・ロックのようなパンチのある楽曲を作りたいと
思っていた。バンドを結成した頃から、私が作って持ち込んでいる曲はたし
かに90年代のフィーリングのあるものだったわね。でも、そういう曲に他の
メンバーがそれぞれの解釈を加えてくれている。バンドとして、自信を持って
このスタイルを貫いているけれど、私たちにしかないユニークさも持ち合わ
せていると思う。LUCY'S CROWNは私の歌も大きな持ち味になっていると
思うしね。私はいろいろなスタイルで歌うことができるけれど、今のこのスタ
イルが一番好きなの」

――特に影響を受けた、あるいは大好きだというバンドを教えてください。
「好きなバンドをひとつに絞るのは難しいわ。私がNIRVANAとTHE SMASH-
ING PUMPKINSの大ファンであることは確かだけど。作る楽曲には自分が
影響を受けたものが出ていると思う。詞を書いてみたいと思ったきっかけは、
ジョン・レノンの“Mother”を聴いたことだったけど、音楽的には90年代にオル
タナ・シーンで活躍したバンドがやっぱり好き」



――ルーシーさんのチュチュ姿が印象的なのですが、チュチュには何か意
味があるのでしょうか? ひょっとして、元々はバレエ・ダンサーだったとか?
「ありがとう! そうなの。チュチュは私にとって特別意味のあるもの。子供の
頃からバレエを習っていて、そのうちにアバンギャルドなコンテンポラリー・
ダンスにより興味を持つようになったけれど、バレエに対する愛情や繋がり
は私の中に常にある。バレエは私の一部といっても過言ではないし、私が
私たりえるもの。チュチュはLUCY'S CROWNのフロントでパフォーマンス
する自分に合うように、すべて自分でデザインして手縫いで作っているのよ」

――音楽以外のアートからもインスピレーションをもらっているわけですね。
「演劇からもインスピレーションをもらうけど、特に舞踏と舞踏家の大野一雄
の作品から受けるものが大きいわ。実はそういうパフォーマンスも習ってい
るのよ。他にもメキシコ人の画家、フリーダ・カーロの作品からインスパイア
されるものもある。彼女の『ふたりのフリーダ』や『折れた背骨』という作品が
とても好きなの」

――2009年の結成だそうですが、結成以来、主にどんな活動を行ってき
たんでしょうか?
「いろいろな場所でライヴをしてきたわ。メルボルンでは主だったライヴハウ
スに大抵出演しているし、オーストラリア国内もほとんど回った。ラジオを中
心としたプロモーション活動にも励んできて、結果オーストラリア全国規模で
LUCY'S CROWNの楽曲がオンエアされるようにもなった。それからスタジオ
ワークね。レコーディング作業に活動の多くの時間を費やしてきたし、ミュー
ジック・ビデオの制作もね。それがオーストラリアの人気音楽番組『Rage TV』
でも取り上げられてバンドの知名度も上がったのよ。クイーンズランドのレス
リング・イベントの宣伝に私たちの“Not The One”が使われたこともあったわ」

――ファンはどんな人たちが多いですか?
「幅広いのよ。私のシアトリカルなパフォーマンスやファッションを気に入ってく
れて、同じようにチュチュ姿でライヴを観に来てくれる女の子もいるけど、やっ
ぱりLUCY'S CROWNの音楽性とヴィジュアルのトータル・コンセプトを気に入
って観に来てくれるファンが多いわ。ファンの平均年齢は20代半ばから上って
ところかしら」

――今度の来日ツアーではどんなライヴを見せてもらえそうですか?
「楽しみでしかたないわ! これまでの来日公演の経験から日本とは強い関
係が作れているから。今回はさらに多くの公演をやれるのもうれしい。その
うちのひとつは特別なショウになるわ。今年の4月にオーストラリアで初めて
開催された『Japan Music Festival』で共演したバンドたちとの再共演になる
からね。グラインドハウスの読者のみんなの目と耳に、新しい何かを届ける
LUCY'S CROWNに注目していて! 女性ヴォーカルがフロントを務め、怒り
と穏やかさが共存したパンチの効いた音楽と“デヴィッド・リンチの映画の世
界に入り込んだようだ”と評されたこともある視覚的要素の強いパフォーマン
スによるヴィジュアルに、ぜひ注目してほしい。来日公演でみんなに会える
のを楽しみにしているわ。ラヴ&ピース!」



文・山口智男/text by Tomoo Yamaguchi
翻訳・松本美和/text by Miwa Matsumoto


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 LUCY'S CROWN
 『ALL IN LACE』
 配信にてダウンロード販売中。
 ライヴ会場限定にてCDも販売

 LUCY'S CROWN公式Web
 公式facebook
 公式twitter


パワフルな歌声を持った紅一点シンガー、ルーシー・ブルー率いるオース
トラリアの4人組が2013年7月にリリースした1stフルアルバム。90年代の
グランジ/オルタナ・ロックが彼らの大きなインスピレーションになっている
ようだ。事実、ルーシーもNIRVANAやTHE SMASHING PUMPKINSをフェ
イバリットに挙げている。そのほか、力強いリフを聴かせ“Stoopid Girl”や
“Romance”はSTONE TEMPLE PILOTSも連想させる。もちろん、それだ
けが彼らの魅力ではない。たとえば鍵盤楽器の使い方や、THE BEATLES
的なサイケ・ナンバー“Falling Free”、プリミティヴな雰囲気の“Watching”、
そしてピアノ・バラードの“The Joker”からは90年代グランジ/オルタナとは
違うセンスが感じられ、おもしろい。メンバーそれぞれに幅広いバックグラウ
ンドを持っているそうだ。そこを想像しながら耳を傾ければ、曲の聴こえ方も
また違ったものになるはずだ。