目指すは髭のプロ? 
ダン・パルマーのシタールと髭のお話し

去る10月、MAN WITH A MISSIONとのOut of Controlツアーを実施し、その力を改めて見せつけたZEBRAHEAD。現在、そのMAN WITH A MISSIONとともに、ヨーロッパを巡演中だ。新作『WALK THE PLANK』においてシタールも導入、音楽的に大きな貢献を見せたダン・パルマー(g)の人となり、そして髭について、あれこれと聞いてみた。

――MAN WITH A MISSIONに招かれてのツアー、全体を通してどうでしたか?
「今回はすごく楽なツアーだったね。ライヴをやったら、1日間を空けて次の街に移動する感じだから、なんだか休暇のような感じ (笑)。ライヴのことを心配せずに酒が飲めるのはいいね」

――いつもと違うお客さんや、日本のアーティストに交じってのライヴだと、内容やMCを変えたりはしますか?
「まぁ、そこまで変えたりはしないかな。なるべく、曲の間で日本語を使ってMCを入れてみたりとか…俺たちのことをしらない人も多かっただろうし、なるべくコミュニケーションを取るようにはして、親しみやすいものを心がけたけど。でもまぁ、それはいつもやってることだしね(笑)」

――ダンがZEBRAHEADに加入して、しばらく経ちますよね。新作で、ダンが参加した作品は2枚目です。以前以上にバンドに貢献しているという自負があるのでは?
「もちろん、俺は前任のグレッグ(・バーグドルフ)とは違う人間だから、これまでになかったアイディアを持ちこむことができたと思う。加えて、俺は毎日キッチリと仕事をするのが性に合ってるんだよね。だから新作で、月曜日から金曜日まで、しっかりとスタジオに行って曲作りやレコーディングをするようにしたのはよかったんじゃないかな。おかげで、スタジオでふと聴いたラジオから流れた曲から着想を得たり、ちょっと違ったテンポでやってみたり…いろんなことを試すことができたんだ。そういった意味で、アルバムにすごく幅ができたと思うよ」

――新作の冒頭“Who Brings a Knife to a Gunfight?”ではいきなりシタールを使っています。ダンが独学で弾き方を勉強したそうですが、そもそもなぜシタールを入れたんですか?
「あの曲では、メインのリフがちょっと東洋というか…インドの蛇使いが笛を吹いてそうな響きを感じたんだ。だからそういう雰囲気の楽器を使ったらいいと思ってね。最初はイランのウードという楽器を使おうとしたんだけど、ちょっと違うかなって。そうしたら、プロデュースをしてくれたポール(・マイナー/DEATH BY STEREO)の母親がシタールを持ってるっていうから、じゃあそれを試してみようということになった。でもいざ持ってきてもらって、You Tubeでいろんな演奏動画を見ながらいじってみたんだけど、まずチューニングが難しかったね。完全に耳で合わせなきゃならないし、なによりも古いものだから、曲のキーに合わせるのでまず苦労した(笑)。面白かったけどね」

――たとえば、ギタリストがベースやウクレレを持っても、なんとなく弾けたりしますよね。そういった感覚はありませんでした?
「弾き方が全然違うからね。全部下から上に向かって弦を弾くし、フレットの間隔もつかみにくいし、そもそもどこでどの音が鳴るのかも知らないんだから(笑)。それを感覚的に覚えるのにも時間がかかったけど、まぁそこは弦楽器をやるオタク的なマインドでさ、なんとか少しずつ理解していったよ」

――実際のライヴでシタールを使おうとは考えました?
「あればいいんだけど、シタールってでかいからさぁ…持ってくるのも大変だし。地元だったらまだいいと思うんだけどね。でも言われてみたら、ちょっとやってみたくなったよ。高いけど買っちゃおうかな(笑)」

――なるほど。ところで話しは全然変わりますけど、ダンがZEBRAHEADに加入して、初めて写真を見たときに「ズルい!」と思ったんですよ(笑)。こんな髭、インパクトあるに決まってる(笑)。
「おぉ、そりゃありがとう(笑)。もうこのヒゲは6年くらい生やしてるんだ。2009年ころ、エド(・ウドハス/ds)とスタジオに遊びに来なよ、って誘われて、ビール片手にスタジオで会って、いっしょに曲を書いたりしていたんだけど、そのころからヒゲは生やしていたよ」

――やっぱり、普段から調整とセットには余念がない?
「そんなことないよ。どうしても片方だけ長くなってしまいがちだから、ツアーに出る前はちょっと手入れしたりはするけどね。毎朝、髪と同じシャンプーとコンディショナーで洗ってるのさ。ほら、前の夜に飲んだウィスキーを洗い流さなきゃならないし(笑)」

――こういうのって、カイゼル髭っていうんでしたっけ?
「俺はハンドルって呼んでるけどね(笑)。はじめは、アゴまでもっと広い範囲で生えていたんだ。でもアゴを剃って、上の方が伸びてきたときに、このままいくと面白いかもしれないなと思ってさ」

――尊敬する髭の持ち主っています?
「ローリー・フィンガーズっていう野球選手だね。ハンドルをマスターしていて、かっこいいんだよ。でも彼は付け髭を持ち歩いていて、酔っぱらうとそれをつけて笑いをとってたんだ。でもそれだったら、本物を生やしたほうがいいと思ってさ」

――髭をセットしてない状態のダンはどんな状態なんですか?
「シャワーを浴びたばかりのときは、広がってボサボサなんだ(笑)。あと、飲んで騒ぎ過ぎたあとだと、あらぬ方向を向いていたりするね(笑)。実は、口の上のところがけっこう長いから、そのままだと飲み物に浸っちゃうことがあるんだよね。だからワックスでしっかりセットして、横に流すようにしているんだ。でも渇ききっていないと、セットもうまくいかないから、時間がないときは洗ったままで部屋からでることもあるよ」

――WBMA(世界髭協会)が主催する髭の世界大会があるんですよね。出てみたらいいプロモーションになるんじゃないですか(笑)?
「才能を競うものではないからね。どれだけ伸びていくのに耐えられたかという大会だから、面白いコンセプトだよね。しかも賞金までもらえるらしいから、出てみるのもいいかもしれないな(笑)」

――その賞金でシタールを買えばバッチリですね(笑)。
「それはいいアイディアだ(笑)。髭のプロとして、世界を巡業するのもいいね(笑)」


text by Yusuke Mochizuki
translation by Yuriko Banno


シェア