新曲とともに見えてきた、
CONCEPTION COMPLEXの次なるステージ!

CONCEPTION COMPLEX
March 26th, 2016 at Shibuya GARRET, Tokyo

しばらくご無沙汰だったバンドがやっと動き出すというのは、うれしいものだ。知らせを聞いて、思わず過去の作品を改めて引っ張り出してしまったりする。CONCEPTION COMPLEXもそうだった。ドラムのHiroyoshiが脱退し、ライヴの本数も減っていた彼らが、ようやく4年ぶりとなる新曲“elegy”を配信でリリース。それを記念したレコ発企画を行った。僕自身、少なくとも1年半はライヴを観ていなかったので、なんとも新鮮な気持ちで会場入りした。

この日の対バンは4バンド。日本語詞と民謡を思わせる歌い回しが耳に残ったOVERWHELM(ギタリストがパンダの覆面をかぶっていたのはいったい…?)、ラウド化したJ-POPを武器に、いい意味で垢抜けきらないBakura、THE OFFSPRING等西海岸パンクを日本的な湿り気で味付けしたOrbit、端々にメタル愛をにじませつつも、あくまでキャッチーに走り抜けていったNothing To Declare。正直、対バンはすべて名前も知らなかったのだけど、どれも毛色の違ったサウンドながら、CONCEPTION COMPLEXとは浅からぬ縁があるとのことで、彼らの新曲リリースを力強く祝っていた。

CONCEPTION COMPLEX が姿を現したのは、21:20頃。Tyra(g)のフェイスペイントも相変わらずだ(笑)。全員が定位置につくと、まずは“Promised day”で幕開け。最初の一音が鳴った瞬間、以前見たときからのかなりのレベルアップを果たしていたことと、それまでに出ていたバンドたちを置き去りにする勢いにまず驚いた。サポートドラマー(この日はNEW BREEDのMark)を迎えての彼らのライヴは初めてだが、パワーと手数を兼ね備えたプレイヤーを迎えたことで、バンド全体の駆動力が格段にアップ。前任のHiroyoshiが悪かったわけではないが、サウンドの密度、音圧ともに目を見張るほどになっていた。しかしMZK(vo)の声もそれに負けてはいない。もともと甘めの声色が特徴の彼だが、以前は少し線が細いかな…と思う瞬間がときたまあったのも事実。それが今や声に強さがみなぎっているし、ヘヴィかつ鋭角的なサウンドに埋もれることなく、しっかりと響いている。歌唱力もそうだが、ステージでの立ち居振る舞いも堂々としたものだ。7弦ギターも用いた、えぐるようなヘヴィネスと、きらめくようなメロディの対比が肝の彼らだが、サウンド、声ともに大幅なビルドアップを果たすことで、メロディもより生きるようになったように思う。明らかにバンドとして次のステージに到達しつつあることが感じられた。失礼を承知で書くけれども、以前と同じ曲を見聞きしているのに「こんなバンドだっけ?」と一瞬思ってしまったほどだ。そのまま、これまたスピード感あふれる“E.N.D-eternal never dies-”でたたみかけたかと思いきや、今度はしっとりした歌ものの“Dead Story”が続く。こういった構成の妙や緩急のつけかたも、以前にはあまり見られなかったものだ。
「4年も経ったのに、俺たちのことを忘れないでいてくれて、今日ここにきてくれてありがとう」
新曲の発表までに時間がかかったことと、その間もサポートをしてくれたファンに感謝の言葉を送るMZK。彼ら自身、ようやく「次」を提示することができるのが、うれしくて仕方ないのだろう。メンバー全員が、終始こぼれそうなほどの笑顔だった。
簡潔なMCに続いて、バウンシーな“time says”と“In My Noiz Factory”を連打。スラッシーなスピード感あふれる前半とはまた違った激しさで、さらにヴォルテージを高めていく、それに続く“Battle Line”ではサークルピットも発生。MZKも「おいでよ!」と、フロアの観客を扇動していく。攻撃的なサウンドとは裏腹に、あくまでフレンドリー(しかしぬるい空気ではない)な姿勢も、また彼らの魅力だ。
“elegy”は、本編最後に披露された。その前に、ある苦しんでいる人に向けて歌詞を書いていたこと。しかし書いている途中で、その人がいなくなってしまったことを、MZKが吐露。そこから、続きを書けるようになるまで時間がかかったとも。結果的に新しい音源を発表するまでに4年の歳月を費やしたが、それも必要なプロセスだったのだと実感。そのうえで聴いた“elegy”は、温かいコーラスとともに、強く胸に響いたのだった。

アンコールで“control”をプレイした後、7月にも新曲のリリースとレコ発企画を予定していることを発表。また5月21日は、SHREDDY KRUEGERの来日公演にも出演してくれることになっている。長い充電期間を過ごしてきたCONCEPTION COMPLEXだが、今年の彼らは恐らく大きなことを成し遂げるはず。楽しみだ。


text by Yusuke Mochizuki


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