200万馬力で3度目の大成功を収めた
GUNMA ROCK FESTIVAL 2014をリポート!!

EXTREME ROCK
September 20th, 2014 at Yamada Green Dome Maebashi, Gunma

今年、3回目の開催を迎えたGUNMA ROCK FESTIVAL。様々な格言を
例に出すまでもなく、3というのは、物事を継続するにあたって、非常に大
きな意味を持つ数字だ。そんな、まさに正念場と言える段階にたどり着い
た、200万馬力のこのフェス。今年もやはり大成功を収めた1日の模様を
お届けしよう。

群馬県は前橋市に到着したのが、10:00過ぎ。ヤマダグリーンドームに向
かう際、昨年とは道を変えたこともあって、なんとか渋滞につかまらず、会
場入りすることができた。会場のメインとなる正面入り口は、すでに人の山
だ。ところどころに置かれたダルマが、なかなか粋だな…と思いつつ、受付
を済ませてフロアへと入った。

まずはRAIJIN STAGEにて、SiMがまさに雷のごとき爆音で、フェスの先陣
を切った。ここのところ、様々なフェスでトップバッターを任されている彼らだ
が、MAH(vo)はプライベートで頭にくることがあった直後だったとかで、いつ
も以上に怒りを込めて(笑)“I hate you”ほか、とにかく攻撃的な楽曲をぶちか
ましていく。すっかり定番となったバラード“Same Sky”を挟みつつも、“KiLL-
iNG ME”で締めるまで、これから長丁場となるフェスのウォーミングアップど
ころか、いきなり観客の体力を根こそぎ奪いかかるかのようなテンションのラ
イヴだった。

SiMが終了すると同時に、下の
フロアにあるFUJIN STAGEで
SHANKがスタート。彼らは以前
からG-FREAK FACTORYを自分
たちのツアーに招く等、その背中
を追いかけ、交流を持ってきただ
けに、GUNMA ROCK FESTIVAL
出演は、まさに悲願のひとつ。一
瞬の機材トラブルがあったものの、
それをものともしない突進力で、ほ
ろ苦くシャープなメロディック・パン
クで、一気に爆走していった。昨今
のメロディック・パンクのなかでも
頭ふたつ分は抜きんでている彼ら
だが、まだまだ飛躍の過程にある
ことを思い知らせてくれた。









エモーショナル…というよりも激情的と日本語で言いたくなるサンボマスター、
アコースティックな岩崎有季やアイドルのバクバクドキン等、バラエティに富
んだ出演陣も今年の魅力だが、トータルでは若干メロコア/パンク勢が多く
揃ったラインナップであったと思う。そのなかで浪速仕込みの笑いで異彩を
放ったのが、GOOD 4 NOTHING。出演直前、ステージ両側にあるスクリー
ンにバンド名を「HAWAIIAN6」と表示されてしまうというアクシデントがあった
が「こんにちわ!  HAWAIIAN6です!」と、すぐさま自分たちの空気に持ってい
くことで、笑顔と汗のあふれるひとときに。SUNE(ds)のヘヴィで強靭なドラム
も、サウンドの根っこの違いを強調していた。

そして直後のHAWAIIAN6も、3年連続でGUNMA ROCK FESTIVAL出演
なだけに、勝手知ったる人の家…いやフェスと言ったところだ。G-FREAK
FACTORYとほぼ同期であり、かつインディーズ・パンクのシーンの一線を
走り続けてきた、百戦錬磨なバンドだけあって、やはり彼らならではの空気
がある。性急なビートとテクニカルなプレイに、胸を締めつけるメロディを載
せたサウンドは、怒涛の勢いがありつつも、切ないのだ。短い時間ながら、
彼らが息の長い活動を続け、熱い支持を受け続けるのがよくわかった。

RAIJIN、FUJINで熱演が続くが、今年
初めて作られたTENJIN STAGEも負
けてはいない。さわやかで暑すぎない
絶妙に心地よい天候のなか、HAKAI-
HAYABUSAがピースフルでおだやか
なレゲエ/スカで、凝り固まった心を
ほぐし、DJダイノジはCHAGE & ASKA
の“Yah Yah Yah”等、タイムリーとはい
えヤバすぎる選曲で、笑いとともにあ
たりを一体化。ひとくせもふたくせもあ
るアーティストが多かったが、すぐ横の
フードエリアでも食事をしつつ、漏れ聞
こえる音をのんびりと楽しんでいる様子
の人が多く見受けられた。












ここでRAIJIN STAGEにもう一度戻ってみると、ちょうど10-FEETがス
タートするところだった。言うまでもなく、彼らはG-FREAK FACTORY
の盟友だ。GUNMA ROCK FESTIVALのステージに立つのに、気合
が入らないわけがない。ライヴはやはり横綱相撲と言えるものだった
けれど、横綱が本気以上の力を絞り出したら、こんなにもすさまじい
体感速度と重みを放つのだ。“VIBES BY VIBES”“goes on”…と、矢
継ぎ早に曲を繰り出す中で、TAKUMAは何度も「群馬! G-FREAK!」
と連呼。いろいろな想いが容量を越えてあふれ出ている。そればかり
か、喉の負傷のためにこの日の出演をキャンセルしたNAMBA69、そ
して難波章浩(vo,b)のために、Hi-STANDARDの“Stay Gold”をプレ
イ。これは事前に周りのスタッフも知らされていなかった、完全なサプ
ライズだったそうだ。やっぱりすごい…と唸るしかなかった。

もうすっかり季節は秋というこ
ともあり、18:00過ぎくらいの時
間になると、外はとっぷりと暮
れていた。さながらフードエリア
とTENJIN STAGEはお祭りとい
うか、縁日に近いような雰囲気
に。心地よく疲れてきたからか、
SHOUJIN STAGEでのお笑い
やトークショーをゆったりと眺め
ている人も。しかしそんななかで
なんというかまぁ、いろいろな汁
をほとばしらせながら絶叫する
OLEDICKFOGGYは、明らかに
異様な雰囲気を醸し出していた。
とはいえ、楽曲そのものはもとも
と耳に馴染むメロディが立ってい
るし、バンジョーやアコーディオン
等も取り入れたサウンドは楽しい。
噛むほどににじみ出るフォークや
ブルースのダシも、体に染み渡っ
たのだった。






そしていよいよ大詰め。RAIJIN STAGEのトリ前として登場するはdustbox。
京都大作戦でもそうだが、やはり絶対に会場を熱狂させてくれる存在として
信頼されているバンドだ。SUGA(vo,g)のハイトーン・ヴォイスとスラッシュメ
タルを通過したキレッキレのリフを、JOJI(b,vo)とREIJI(ds)が繰り出すリズ
ムがさらに速度と鋭さを増加させていく。JOJIは中盤「俺ら、ここからがすご
いからな」などと笑っていたが、頭からすさまじい勢いでダッシュを決めるだ
けでなく、そこから上昇気流に乗ってひたすら高みへ。最後のG-FREAK
FACTORYへと、最高のバトンを渡していった。

迎えた大トリ、G-FREAK FACTORYの出番だ。もはやGUNMA ROCK
FESTIVALでは恒例となった高崎頼政太鼓とのコラボにてスタートした。
原始的なリズムにバンドサウンド、はてはキーボードにトランペットまで
融合した勇壮かつダイナミックなサウンドには、いやでも血が騒ぐ。そし
て茂木洋晃(vo)が姿を現し、“Unscramble”へとなだれ込んだ…のだが、
速い! 曲が2割増しくらいに加速している。そのしなやかなグルーヴと追
い立てるようなスピードで、エンジンがフルスロットルを超えて回転していく。

「群馬に住んでるやつ、今日だけは誇りに思え。群馬の外から来たやつ、
今日だけは群馬の人になれ」

恒例の会場全員でのシンガロングから“SOUL CONNECTION”、“アシア
トカゼノオト”と曲を進めたなかで、地元である群馬でひとつになってほしい
という、茂木の祈りにも似た言葉が突き刺さる。
最新作『fact』から披露されたのは2曲にとどまったが、そのぶん彼らの想
いを伝えることに比重が置かれていたように思う。来年もGUNMA ROCK
FESTIVALを開催できるという保障はどこにもないし、生きていくうえで、当
たり前のことなどひとつもない。だからこそ今を噛み締めてほしいと歌われ
た“EVEN”は、いつも以上に胸に染み渡った。
本編最後の“日はまだ高く”そしてアンコール最後の“Dirty Hearty Party”で、
なんと茂木はフロアに突入。しかも“Dirty Hearty Party”に至っては、観客に
両足を支えられた状態で立ち上がり、渾身のスクリームを轟かせたほど。
彼らのライヴとしては、たしかにテンションと勢いに任せたものだったかもし
れない。しかし、地元への愚直なまでの愛と誇りを原動力に、思いっきり駆
け抜けたG-FREAK FACTORYの姿に、魅了されなかった者はいないはずだ。

今年も計1万人以上の動員を記録し、「グンマー帝国」の底力を見せつけた
GUNMA ROCK FESTIVAL。G-FREAK FACTORYが、出演バンドたちが、
そして1万人以上の群馬人たちがおこした、強く、優しく、穏やかな風は、来
年以降へと吹き続いていくはずだ。



text by Yusuke Mochizuki
photography by HayachiN, Akira'TERU'Sugihara, Kiraba Makoto,
Quadrofilm, Little Satou, Yasumasa Handa(Showcase)


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