横浜公演に続き、さいスパ公演初日のライヴリポもお届け!

GUNS N' ROSES
January 28th, 2017 at Saitama Super Arena, Saitama

横浜アリーナ公演から2日置いてのさいたまスーパーアリーナ公演初日を観にいった。同一バンドでの2公演連続観戦はホント久しぶりのことだ。

MAN WITH A MISSION

まず、ステージに登場したのはMAN WITH A MISSION(以後MWAM)だ。最新シングル『Dead End in Tokyo』を発売したばかりのタイミング。かつ常日頃彼らが向き合う客層とはだいぶ違うオーディエンスたちを相手にする、というまさに絶好の機会でもあった。持ち時間はたったの30分。これは横浜公演時のBABYMETALと同じ。そして“Emotions”で始まった。MWAMのワンマン公演での派手で大掛かりなライティング & セットを見慣れてるせいか、この夜のステージングなどはとてもとてもシンプルに映った。ステージ上にはメンバーと機材のみ。PAスピーカー両側に設置された巨大スクリーンにメンバーたちの姿が一切映し出されないことや、デカ箱ということもあり余計そう感じたのかもしれない。もともと明確で強い海外志向を宿すバンドだ。これまでにRISE AGAINST、ZEBRAHEAD、DONOTSらとイギリス/ヨーロッパを数回攻め、かのイギリスのDownload Festivalにも参戦した経験、実績を持つ。そんな彼らにとってこの夜はロックレジェンド、GUNS N’ ROSESと同じステージに立ち、ガッチガチの洋楽ロック/メタルファンと対峙することができたわけだからまさに本望だったろう。Knotfest JAPANに出るのとは違う。セット後半、ジャン・ケン・ジョニー(vo,g)がその思いのたけをMCで語った。それを受けて客席から一斉に上がった歓声はこの夜一番大きいものだった。ガンズとステージをともにする、ということは決して容易いことじゃない。それゆえ、その意味合いは非常にデカく、また重い。誰もが理解してることだ。持ち時間に限りがあり、MWAMを初めて観る人たちも多いだろうという配慮からか、“database”“Get Off of My Way”“FLY AGAIN”といったノリのいい代表曲を続け、たたみかけた。後半には昨年末に配信で発売した新曲“Hey Now”、そして上記新曲“Dead End in Tokyo”も披露され、最後を“Raise your flag”で締めた。短いセットだったものの、MWAMが自バンド史と、日本のロックシーンの流れに新たな“轍”を刻み込んだことは間違いない。

GUNS N' ROSES

続いてはガンズだ。MWAM終わりから45分程度のセットチェンジを経て、横浜公演のときと同じく“It's So Easy”でスタートした。14年ぶりの観戦ということもあり、横浜公演のときはガッツリしっかりパフォーマンスに観入り、アクセル・ローズ(vo)、スラッシュ(g)、ダフ・マッケイガン(b,vo)らの一挙手一投足を追いかけてたけど、この夜は少々違った。観入りつつも過去の数多い思い出が頭をもたげては今現在の彼らと重ね合せ、無意識のうちに今昔を比べてた。

彼らのワールドワイドデビューは『APPETITE FOR DESTRUCTION』をもっての87年夏のこと。そのオリジナルジャケが発禁処分を受け差し替えとなり、一度は発表された初来日公演日程が突如延期になるなどの話題を提供、翌88年暮れにやっと来日が実現した。ミニ作『GN’Rライズ』発売直後のことだった。東京初日NHKホール公演を観たのだけど、開演が予定より1時間半ぐらい遅れて始まったのには面喰ったし、その滞日中にスラッシュ、ダフ、そして当時のドラマー、スティーヴン・アドラーに初対面取材もした。確か90年のことだったと思うTHE ROLLING STONESのUSツアーをロサンゼルスで観た。このときサポートアクトとして帯同してたのがLIVING COLOURと、ガンズだった。ガンズのパフォーマンス中にそれまでに見たことのない奇妙な光景を目撃した。アクセルとスラッシュがMCを介して互いに謝罪し合ってたのだ。どうやら前日2人の間になにやら揉めごとがあったようだった。「そんなの2人の間で解決すりゃいいことで、大観衆に向けてのMCでやるなんて…なんて仲の悪いバンドなんだ」と思ったことを今も覚えてる(笑)。デビュー時からアクセルに取材するのは極めて困難と言われてたけど、当時のバンドのオフィシャルフォトグラファーで友人の「絶対バンドはヒマしてるから絶好のチャンスだよ」との助言により、一縷の望みを託し91年1月にブラジルのリオデジャネイロで開催された音楽フェスティバル、第2回Rock in Rioにガンズが出ることに照準を定めた。入国ビザをとり、フライトもブックし、ホテルも押さえたものの、なんと出発当日に湾岸戦争が勃発、周囲の強い制止を振り切れず泣く泣く渡航を断念したことがあった。後日そのカメラマンから「アクセルめちゃくちゃヒマしてて時間を持て余してたよ。絶対取材できてたよ」と言われ悔しい想いをしたこと。スラッシュが10円玉をいたく気に入り、「ピック代わりになるね。まるでブライアン・メイのようだ(笑)」(註:ブライアンはコインをピックとして使う)と嬉しそうに言いつつ対面取材中にギターをテロテロ弾いてたことなどなど……挙げてたらキリがないくらいだ。

どれもこれもずいぶん昔の話だ。ヘタすりゃ30年前のこともある(笑)。その長い間にバンドにはたくさんの紆余曲折が訪れた。スラッシュ、ダフが脱退し、ガンズと名乗るもアクセルローズバンドと思しき時代も長かった。ステージ構成員が増えバンドは大所帯にもなった。あの、尖がってたアクセルが丸くなり、ライヴ中に客席に笑顔を向け、ときに手を振ったりもした。スラッシュ、ダフが復帰し、アクセルが上機嫌になったのもなんとなくわかった。でだ、2時間40分にも及んだ長丁場ライヴを2晩観て強く思った。やっぱガンズはガンズでそれ以外の何物でもなく、スラッシュ、ダフがいてこそのガンズだ、と。そして、もうガンズのようなバンドはこの先2度と世に出てこないだろうとも。80年代中盤の、あのハリウッドだからこその“化学反応の賜物”だったんだろう。この先もガンズは孤高であり続けてほしいと思う。



text by Hiro Arishima
photography by Kazuo Watanabe(GUNS N' ROSES) & Daisuke Sakai (MAN WITH A MISSION)