ヘイスミ完全復活を目の当たりにさせられ、
強く実感させられた夜!

HEY-SMITH
November 11th , 2015 at Shibuya Club Quattro, Tokyo

編成を立て直し、京都大作戦2015 ~いっ祭 がっ祭 感じな祭~参戦で幕を切って落とした新生HEY-SMITHの“お披露目TOUR”の終盤、東京・渋谷CLUB QUATTRO公演を観た。

言うまでもなく当夜はもちろんソールドアウト! 会場が「もう無理ですから」と言わんばかりに場内は満杯で、10代後半から20代前半あたりと思しきライヴキッズたちで立錐の余地もないくらいだった。定刻の夜6時を少し回った頃、NAMBA69が登場。大歓声が上がるなか、難波章浩-AKIHIRO NAMBA-名義で3rdリリースとして2012年に出した『WAKE UP!!!』収録曲“ETERNAL GOLD”で勢いよく駆った。先日実施した対面取材で、難波は「今ものスゴくバンドの状態がいい」とキッパリ言い切ってた。それは新ミニ作『LET IT ROCK』発売直前期に出演した京都大作戦2015初日の牛若乃舞台のときのステージングからも窺えた。名演で、ロックバンド最少人数編成によるバンドがカチッとした整合感に彩られたパフォーマンスを満員のフィールドに思う存分叩きつけた瞬間だった。そうした好状態はこの夜も同じで、酸いも甘いも知りつくしたベテランメンバー3人が次々と曲を繰り出しつつロックキッズたちの気持ちをひとときたりとも逸らさないほどガッツリと掴んでた。相当気合いが入ってたのも強く感じた。さすがロックアイコン、難波章浩がやるバンドだ、という想いを新たにしたセットだった。

    ■NAMBA69 set list
    01. ETERNAL ROCK
    02. BREAK IT DOWN
    03. True Romance
    04. SUMMER TIME
    05. STRAY DOG
    06. N.M.F.N
    07. PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT
    08. THE WORLD IS YOURS
    09. LET IT ROCK
    10. 未来へ~It’s your future~

HEY-SMITHが突然、活動休止を余儀なくされたのは昨年9月中旬――。自主イベントOSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2014を泉大津フェニックスで開催した直後のことだった。10年近い長い歳月苦楽をともにしてきたMukky(vo,b)とIori(trumpet)の脱退が、その引き金を引いた。バンドがちょうど上昇気流に乗りかけた矢先の脱退劇だっただけに、いろんな意味で痛手だった。それは残ったメンバーたちも実感してただろうし、傍から見ててもそれは明らかだった。しかし、それから7ヵ月、後任にYUJI(vo,b)を招き入れ、満(tenor sax)のほか管楽器隊にはツアーサポーティングメンバー2人を迎えるという新編成でHEY-SMITH、通称ヘイスミは復活した。冒頭に記したとおり、その初お披露目となったのが、京都大作戦2015の2日目源氏乃舞台でのステージだった。このとき猪狩秀平(vo,g)はバンドをやりたくてもやれなかった期間のさまざまな思いのたけをMCでとつとつと語った。普段とてもクールな印象のある彼だけど時折声を詰まらせたように感じた場面もあったほどで、その活動休止期間が彼にとって、またバンドにとってとてつもなく過酷なときだったことが即座に伝わってきた。違う意味で“名調子”だった。自分はそのMCに感動させられた。そして、おそらく忘れることもないだろう。

その後、ヘイスミはまるで堰を切ったかのようにライヴを多発した。いくつものフェスティバルに出演し、ヘッドラインツアーで各地を転戦した。それは新編成を強固なものにし、一日も早い“ライヴ体化”していくことを意図したようなスケジュール組みで、それイコール、“活動休止という名の空白期間”によりファンたちの間に自然発生した強い飢餓感、期待感にも応えてるようにも映った。そしてこの夜の猪狩、ヘイスミはまさに絶好調だった。完全にはっちゃけてた。ド頭の“Welcome To Now Album”からすでに場内は度を越した盛り上がりと熱で充満し、バンドもバンドでド頭っからフルスロットルでファンたちにぶつかってた。猪狩ひとりの表情ひとつにしても京都大作戦のときとは大違いで、とても楽しそう、嬉しそうで晴れ晴れとしてた。

やりたい放題とはまさにこのこと。お得意のメタルアティテュードで時折スカも噛ますパンクロックはとにかく勢いがあり、お客さんひとりひとりを立ちんぼなんかにはせず、縦横無尽にあちこち突き動かす。管楽器隊が勢いよくブッハブハ言わす、その“ヘイスミ節”は実に気持ちよく、心底楽しい。こう言っちゃ元も子もないかもしれないけど、その音楽は断然CDよりライヴでの方が魅力を増し、観てる者たちの多くを“ソノ気、暴れる気”にさせる、まさに“リーサルウェポン”だ。これを一度ライヴで味わい、体感したら間違いなく“クセ”になる。 新加入したYUJI(vo,b)の立ち位置と果たす役割は、ヘイスミというバンドにおいてとても重要なものだ。YUJIと猪狩の呼吸もピッタリ合ってて、新加入ながらそんなことはコレッぽっちも感じさせない立ち振る舞い、そしてパフォーマンスだった。管楽器隊の2人もとてもじゃないけどツアーサポーティングメンバーなんて思えないくらいの溶け込みよう、ひとつになりようで、新生ヘイスミはステージでとてもカッコいい“絵”を描いてた。

メンバーチェンジとは好むと好まざると、その結果が“吉”だったのか“凶”だったのかに注視が集まるものだ。メンバーチェンジを経験したことで、その場にフリーズしてしまうどころか後退してしまうバンドすらいる。また逆に、メンバーチェンジを断行せざるを得なかったことをひとつの“節目”“糧”としつつ、さらに前進・進化・発展をとげていくバンドもわずかながらいる。ヘイスミが後者であることを、この夜彼ら自身が見事に証明した。そして、ヘイスミが再び勢いづき始めたことも手にとるようにわかった。ますます彼らの今後の動向が楽しみになった。間違いなく、彼らは来年2016年の日本のロックシーンにおける“台風の目”となる。

    ■HEY-SMITH set list
    01. Welcome To Now Album
    02. Drug Free Japan
    03. Endless Sorrow
    04. Judgement Day
    05. Living In My Skin
    06. Over
    07. Pull Your Trigger
    08. Skate Or Die
    09. Like A Gentleman
    10. Jump!!
    11. Stand Up For Your Right
    12. Broken Promise
    13. The First Love Song
    14. We Sing Our Song
    15. Change Your Life
    16. Download Me If You Can
    17. Goodbye To Say Hello
    <Encore 1>
    18. Free Your Mind
    19. True Yourself
    20. Come Back My Dog
    21. Longest Day
    <Encore 2>
    22. I'm In Dream

text by Hiro Arishima
photography by HayachiN(HEY-SMITH) & ZIZO(NAMBA69)


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