“全方位的エンタテイメント”
を惜しげもなく駆使した極上の夜!!

MAN WITH A MISSION
December 20th, 2014 at Saitama Super Arena

今年2015年、MAN WITH A MISSIONは活動開始5周年を迎えた。

究極の生命体集団にとって、この4年という歳月はものスゴく大きな意味を
持ち、月日の長さを一切感じさせないくらいアッと言う間に駆け抜け、飛翔し
まくった年月だったように思う。自分が初めて彼らを渋谷のちっちゃなちっちゃ
なライヴハウスで、しかも偶然、それも“チラ観”したのは、シングル『NEVER
FXXKIN' MIND THE RULES』(2011年)を発売した直後だった、と記憶する。
他バンド主催イベントに、トリやその前なんかじゃなく、ずいぶん早めの出番
でステージに上がってた。彼らはなにも突然変異のごとく上昇し、巨大な影
響力を誇るまでになったのではない。どのバンドとも同じく、こうした“地下レ
ベルでの静かなる第一歩”もちゃんと踏んでる。2014年10月から行われた
PLAY WHAT U WANT TOUR 2014は、そうした彼らの今日までの総括、
集大成の一面だった。12月20日のさいたまスーパーアリーナ公演を観た。
これまでの絶大なる支援に感謝の意を込め、このツアーのセットリストは、
ファン投票の結果を参考に決められたものだそうだ。

会場の(呼称)“さいスパ”、または“たまアリ”はとても馴染みのあるところだ。
フェス取材だ、単独ライヴ観戦だ、で年に4、5回は必ず足を運ぶ。だけど、
実はこの会場がここまでデッカくて、ダダッ広いとこなんだと感じさせられた
のは、この夜が初めて。それだけこの夜のパフォーマンス、ステージング、
視覚効果、空間のスケール感のデカさはハンパなく、始終圧倒されっぱな
しだった。その間ずっと、さまざまなタイプの“FUN”が客席に向けて連続放
射され、間断なく降り注がれた。当夜はあいにくの雨で、外気温もかなり低
かった。が、しかし、そんなことはどっかにいってしまい、完全に忘れ去って
しまうぐらいの“熱さ”が約2時間にわたり場内に充満し、時折思いっ切り弾
けてはバンドと大観衆がひとつになった。とてもすばらしく、理想的な土曜
の夜となった。

上記した、渋谷のちっちゃなちっちゃなライヴハウスで“チラ観”した後、彼ら
のライヴをなにかの節目ごとに観るようになり、以降回数を重ねた。UK産で
進んでエレクトロまぶすヘヴィロックバンド、ENTER SHIKARIとの“洋邦共
演ギグ”となった2012年9月の東京・恵比寿LIQUIDROOM公演、ピンで“晴
れの檜舞台”に立った2013年5月の東京・日本武道館公演、そしてさらなる
大海へと航行しだした2013年10月の横浜アリーナ公演と、気づけばインド
ア公演はその規模感をどんどん大きくしていき、より幅広い音楽ファン層を
スピーディーに、かつ確実に呑み込んでいった。その過程で、ふと思った。
「彼らは、音楽とは“音を楽しむ”と書く、ということを熟知し、それをライヴで
可能な限り体現し、とことん自分たち自身も楽しみ、同時にお客さんたちも
ひとり残さず心底楽しんでもらおうとしてるんじゃないか」と。そして“さいスパ”
でのこの夜、それがこれまでで最大級のファンへの感謝の想いと、演出ア
プローチが共存共栄しつつ大炸裂し、完全に次レベルで結実した。まさに
今日までの総括、集大成と言うにふさわしい夜だった。

自身の単独公演のときは毎回毎回そうなんだろうけど、この夜もそうだったと
思う。約2時間に及ぶセットには明確なるストーリー性が下敷きにされてた。
そして優れた楽曲群とその置き方の妙。さらには日本エレキテル連合や“壁ド
ン”といった、ある意味の“時事ネタ”を随所に散りばめたショートコントのような
おもしろ映像を冒頭から本編最後までにちょこちょこ挟み込むことで“楽しさ”
“喜び”は当然、“笑い”に“感動”をもデフォルメさせ、ときには観る者がじーん
とくるような“お涙誘い”の場面まで用意し、客席を湧かせに湧かせた。いわゆ
る“特効”も見事で、“evils fall”と“Emotions”ではステージ上で火柱が何本も
勢いよく上がり、本編を締めくくった“FLY AGAIN”じゃとてつもない量の紙吹雪
が場内いっぱいに舞った。ライティングも激しく、ステージ奥、そしてステージ
両側に設置されたスクリーンに映し出され続けるきらびやかでカラフルな映像
の数々は、ほとんどプロジェクションマッピングのそれだった。オモチャ箱をひっ
くり返したような、もしくはテーマパークの超縮小版のような“全方位的エンタテ
イメント”があらゆる限りの手段と方法で駆使され、観る者たちの身も心もひとと
きたりともMAN WITH A MISSIONから逸れたり、離れたりさせないようなステー
ジングは圧巻の一言につき、かなりトバされた。

ここまで高レベルのライヴパフォーマンスを繰り広げ、かつ堂々胸を張れる輝
かしい実績をも持つも、MAN WITH A MISSIONは絶対その場にあぐらをかくな
んてことはせず、手綱も緩めず、新たな音楽的領域も切り開いていく。2月11日
に発売される5周年第一弾シングル『Seven Deadly Sins』を聴けば、それがよ
くわかる。今後の活動がますます楽しみだ。




text by Hiro Arishima



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