まさかのライヴ中止となり、
サマソニでのリベンジへの機運が増した一夜!!

BULLET FOR MY VALENTINE
April 15th, 2016 at Shinkiba Studio Coast, Tokyo

2013年以来、三度目のサマーソニック出演が決まったBULLET FOR MY VALENTINE(BFMV)。それに先駆け、これまた久しぶりのヘッドラインでの日本ツアーを、Monster Energyによる「OUTBURN TOUR」で実現させた。しかも今回は本国イギリスで同じマネージメントに所属するcoldrain、先日『ROAR』にてメジャーデビューを果たしたNOISEMAKERがサポートとして帯同。ありそうでなかなか日本では実現しない3バンドの組み合わせだ。サマソニの前哨戦も兼ねて、最終日の新木場STUDIO COASTまで観に行った。

この日の先発はNOISEMAKER。正直、音楽性がほかの2バンドとはかなり違うこともあり、かなりのアウェーになることを予想していたのだが…。蓋を開けてみると、たしかに彼らにとってはやりにくい状況だったかも知れない。実際、攻撃的なサウンドよりも、スケール感とメロディを生かした壮大な楽曲に、どう対応したものかという顔の観客が見受けられたのも事実だ。しかし曲が終わればフロアのかなり後方のほうまで、彼らに惜しむことない拍手が。結果としては、健闘したと思う。彼らがこの経験を糧に、さらに大きくなることを願うばかりだ。

続くはcoldrain。“No Escape”から始まったライヴは、もはや日本とか海外とか、そんなことを超越した勢いを放っていた。とぐろを巻くグルーヴとアップダウンの激しいリズムを見事に乗りこなしながら、フロアを扇動していく。この日はBFMVがメインアクトということもあり、やはり観客もBFMV目当てが多かっただろうと思う。しかしcoldrainもヨーロッパにアメリカを飛びまわったことで、観客の傾向に合わせたライヴの見せ方、立ち居振る舞いを体得しているようだった。すでに世界レベルというか、このままいけば天下を狙えるんじゃないかと、本気で思わせてくれるライヴだった。現在世界中で話題を集めるBABYMETALとはまた違った形で、日本のロックバンドとしての矜持を見せてくれた。 そしてBFMVの出番がついにまわってきたが、まさかあんなことになろうとは…。
バンドは名古屋、大阪と同様、最新作『VENOM』本編を頭から最後まで披露するセットをスタート。SNS等を見るとかなり賛否が分かれていたこともあり、正直様子見のつもりでいた…のだが、これがどうしてどうして、悪くないじゃないか。直近の2作品で見せたメロディックなアプローチを踏まえつつ、初期にも通じるメタル然とした激しさ、凶暴性を取り戻した楽曲で押していく。全員が楽器を持っていることもあり、激しいパフォーマンスこそないが、ドッシリとした、威風堂々とした佇まいだ。サポートドラマーのジェイソンも、元々はPITCHSHIFTERでUKアンダーグラウンド/エクストリーム・シーンを生き抜いてきただけでなく、マットとAXEWOUNDでプレイしていた経緯もあり、実力、バンドとの相性ともに申し分なし。ヒゲが伸び、ゲイリー・ホルト(EXODUS、SLAYER/g)を思わせる渋いヴィジュアルになったパッジのギター、バンドに新しい風を吹き込んだジェイミー(vo,b/元REVOKER)もしっかり主張。特にジェイミーは“You Want A Battle? (Here's A War)”や“Broken”といった数曲のサビでは、マットに代わってメインヴォーカルを引き受ける場面も。バンドにしっかり馴染み、信頼されている証だ(と、このときは思っていたのだが…)。

『VENOM』を全曲プレイしてから一旦バンドが姿を消し、アンコールのような形で“Your Betrayal”をプレイ。待ちに待った往年の楽曲に、フロアはさらに大きな歓声で応じる。続いて“Waking The Demon”にcoldrainからMasatoをフィーチャーした特別ヴァージョンも披露。事前に手渡されたセットリストをチェックし、さぁここからクライマックス…と思いきや、またまたバンドが引っ込んでしまい、次の曲へと進まない。そうこうしているうちにジェイソンが再登場し、突如ドラムソロを叩き出した。サポートなのになかなか味なことをするな…と思いきや、パッジ、ジェイミーとともにプロモーターの担当者が姿を現した。なんとマットの体調が急激に悪くなり、ライヴの続行どころか、救急車で病院へ緊急搬送しなければならない可能性があることがアナウンスされた。「もう少し様子を見るとともに状況確認をする」と言われたものの、最終的にライヴは不可能と判断。残念ながらここで中断となった。

なんとも不完全燃焼な形になってしまったが、ライヴ前の対面インタヴューでは、マットは特に問題なさそうな様子だっただけに、余計に驚いた。しかしバンドは8月のサマソニで戻って来ることが決定しているので、そこでの復活アピール、そして万全の体調での日本ツアーを望みたい。


text by Yusuke Mochizuki
photo by Yoshika Horita



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