狼VSシマウマ対決が実現!! 
ヨーロッパツアー前哨戦の夢の一夜をリポート!!

ZEBRAHEAD × MAN WITH A MISSION
October 16th , 2015 at Saitama Super Arena, Saitama

まさか、狼とシマウマがここまで仲良くなろうとは…。もちろんMAN WITH A MISSION(MWAM)とZEBRAHEADのことである。

そもそもの発端は、アメリカにて一緒に楽曲制作をすることから始まり、昨年リリースされたZEBRAHEADのベスト盤『GREATEST HITS?』に収録された新曲“Devil On My Shoulder”に、MWAMのJean-Ken Johnny(vo,g)が参加。そこから国境を越えたスプリットEP『Out of Control』をリリース。続いてZEBRAHEADの新作『WAL THE PLANK』収録曲にDJ Santa Monica(dj)が参加するという事態にまで発展していった。そして音源を出したからにはツアーもせねば…と、ZEBRAHEADがMWAMに招かれる形で、今回の日本でのジョイント・ツアーが決定したのだ。しかもこのツアー直後には、ともにヨーロッパへ出発。今度はZEBRAHEADのツアーにMWAMが帯同することになった。もうがっぷり四つ。相思相愛。ZEBRAHEADに“Call Your Friends”というタイトルの曲があるが、まさにその通り。友だちを呼べば、パーティの楽しさも倍々ゲームで膨らんでいく…と、世界中のファンに示してみせたのだ。

今回のツアーは、まず大阪にてMBS音祭に両バンドが出演。その後名古屋での2マン、ZEBRAHEADのプレミアム単独公演(会場はなんと渋谷eggman)をはさみ、さいたまスーパーアリーナの2デイズで締め…という、大も小も兼ねたものだった。さいたまスーパーアリーナでの2デイズ公演なんて、もはやロックバンドとしてはMETALLICAやIRON MAIDENのレベル。結成20周年を、ずーっと互いに愛を育んできた日本で、こんな形で祝えるなんて、ZEBRAHEADはなんという果報者だろうか。そのさいたまスーパーアリーナ公演の初日で、狼とシマウマがたわむれる様を見てきた。
まず会場からすごい。入り口には「MWAM×ZH」を模した巨大なオブジェが鎮座。中に入れば、ステージの両脇には『Out of Control』のアートワークよろしく、ボクシンググローブをはめた巨大な狼とシマウマが向かい合う。そしてあたりはアリーナはもちろん、4階席まで人人人、また人で埋め尽くされている。これはえらいことになるな…と思っていると、ステージに海賊の格好をした男ふたりが登場。突然サーベルを抜いて闘い始めるではないか。ひとしきりつばぜり合いを見せると、そそくさと退散。実はこれ、『WALK THE PLANK』になぞらえてZEBRAHEADが用意した余興なのだけど…なんともいきなりで驚いた(笑)。
ありゃなんだったんだ…と呆然とする観客を尻目に会場が暗転。まずはZEBRAHEADの登場と相成った。

結論から言うと、ZEBRAHEAD、めちゃくちゃよかった。前日のインタヴューで、ダン・パルマー(g)が「会場の規模やお客さんがいつもと違っても、普段どおりのライヴをやるだけさ」と言っていたが、まさにその通り。ステージ脇にバーカウンターを設置し、随時アルコールを補給しつつ、底抜けに明るく楽しく、サービス精神旺盛なZEBRAHEADの姿を見せてくれた。メンバーの観客さばきも慣れたもので、日本語とわかりやすく噛み砕いた英語で、会場全体に笑顔をふりまいていく。特にアリ・ダバダビィ(rap)は、“Save Your Breath”で観客全員を座らせてからの一斉ジャンプを成功させると「オツカレサマデス!」の一言まで飛び出した(笑)。ほかにも「俺たちの友だち、MWAMに捧げるよ」とプレイされた“Call Your Friends”ではビールを一気飲みするスイマーが登場し、“Mental Health”ではアリがフロアに突入、“Devil On My Shoulder”ではJean -Ken Johnnyが、“So What”ではDJ Santa Monicaが飛び入り…と、「一人も置き去りにしない!」と言わんばかりのエネルギッシュなステージを展開した。
加えて、音楽的にも新しい領域へと進んだ『WALK THE PLANK』も、過去の名曲と見事にマッチ。もちろんMWAMから受けた刺激も大きいだろうか、ZEBRAHEADは今まさに次のステージへと足を踏み入れている。20周年を迎え、まだまだこれからだという気概を示した50分だった。

そして続いたMWAM。いつもの通りBAD RELIGIONの“Man With A Mission”とともにメンバーが登場。いきなり火柱をあげながら“Emotions”を繰り出し、スモーク立ち込める“Take What U Want”、“Get Off of My Way”と連打。いきなり勝負をキメにきた…というより、もはやセットリストを組むと大玉連発になってしまうと言ったほうが正しいか。5年という歳月のなかで、それだけ名曲を世に送り出してきた証拠だ。
また“The Cure”や“Far”のような、実験的な音使いだったり、幻想的な空間を作り上げるメロウな曲が、ライヴでかなり映えるようになってきたのもポイントだ。“The Cure”の後にはZEBRAHEADのアリを向かえた“databese”が披露されたし、“Far”に至っては、Jean-Ken JohnnyによるMISSION動画の直後と、“higher”にはさまれてプレイされている。どちらもライヴの空気を迷走させることなく、むしろ前後の曲と引き立て合いながら響いていた。海外ツアーを積極的に行うことで、ライヴバンドとしてのタフさだけでなく、音楽家としての手の内や引き出しも増えてきたのだろう。よりライヴに幅が出ているように感じられた。

アンコール直前には、年明けに全国ツアーを行うことを発表。会場等はまだ伏せられた状態ではあるものの、来年も勢いを落とすつもりはさらさらなさそうだ。2度目のアンコールでの本当のラストには、ZEBRAHEAD全員をステージに呼び出し、スプリットEP、そして本ツアーのタイトルでもある曲“Out of Control”を、全員でプレイ。Jean-Ken Johnnyとマッティ・ルイスはギターを置きヴォーカルに専念、ベン・オズモンドソンとKamikaze Boyはツインベース、Spear Ribとエド・ウドハスはツインドラムという、重低音ブーストな編成での貴重なプレイで幕を閉じた。

先に書いたように、本ツアーの翌週にはヨーロッパへと飛び立った両バンド。さらに上がり調子な彼らは、海の向こうでも互いを刺激し、高めあっていることだろう。ZEBRAHEADも年明けの再来日ツアーが決定したし、それぞれの2016年にも期待したいところだ。

ちなみにZEBRAHEADのライヴを「いつも通り」と書いたが、ひとつだけ訂正を。下ネタが押さえ目だった(笑)。せいぜいマッティとベンが「オッパイダイスキー!」とわめき、「ジョウダンデス、スミマセン」と即謝罪。そして“Can Can”で観客にタオルを振り回させる際「ビッグ・コンドーム!」とのたまったくらいか(それでも充分アレだが)。年明け2月には、単独での再来日公演も決まっている彼ら。もし今回のライヴでZEBRAHEADに興味を持って、単独公演に行こうと考えている人がいたら、覚悟しておいてほしい(笑)。


text by Yusuke Mochizuki


シェア