TOTALFAT、KNOCK OUT MONKEYらの
熱演に鬼もKOな、新宿LOFTでの一夜!

スペースシャワー列伝100巻記念公演 ~第107巻 鬼退治の宴~
October 21th, 2014 at SHINJUKU LOFT, Tokyo

「ライヴハウスを中心に活躍するインディーズ・アーティストやPVのない
アーティストの魅力を、ライヴを通して全国の視聴者に伝える」というコン
セプトの下、2001年よりスタートしたスペースシャワーTV主催のライヴ・
イベント“スペースシャワー列伝”。その第107巻が“鬼退治の宴”のサブ
タイトルにより、10月21日に新宿LOFTで開催された。
当日はTOTALFAT、KNOCK OUT MONKEY、FUZZY CONTROLに、
Hello Sleepwalkersが出演。転換時にはLOFT内のバー・スペースで
バンド同士がトークを繰り広げ、それがステージを覆う黒幕に映し出さ
れるなど、約3時間はあっと言う間だった。

トップバッターは、イベント翌日に3rdアルバム『Liquid Soul and Solid
Blood』をリリースしたHello Sleepwalkers。シュンタロウ(vo,g)、ナルミ
(g,vo)の男女ツイン・ヴォーカル、さらにはタソコを加えたトリプル・ギター
体制から変幻自在かつハイブリッドなサウンドを展開する5人組で、これ
まで沖縄を中心に活動してきた。
“Bloody Mary”でスタートしたライヴは、男女のヴォーカルをはじめ、アグ
レッシヴな側面とメランコリックな側面、さらにはニューウェーヴィなダン
サブルさと躍動的なロック・ダイナミズムといった両面がそれぞれに共鳴。
多面的な音世界を作りだすとともに、勢いこんでのがむしゃらなエモー
ションで場内を煽動した。
モニターの上に乗って絶叫するシュンタロウ。髪を振り乱しながらギター
をかき鳴らすナルミ。タソコもオーディエンスと対するように前へと立ち位
置を詰める。最新作の一曲目でもある“百鬼夜行”では、奇しくもこの曲が
怪物たちを呼ぶ歌だということで「俺たちを鬼だと思って、倒す勢いできて
くれ!」とシュンタロウ。そんなバンドに呼応する観客のヴァイヴも、ステー
ジ前から後方へと確実に波及していった。そしてメンバーもフロアとひと
つになろうとする一方、心のさらに奥へ分け入っていくような印象があった。

FUZZY CONTROLは、音源以上に男っぽく無骨なダイナミズムが胸に
迫り、明日へとこちらを鼓舞。さらにはロマンティストな一面も随所で見
て取れ、約30分をエモーショナル&ポップに駆け抜け、場内の空気を
さらに熱く濃密なものにした。
真っ暗なステージから鳴り響く泣きのギターではじまる“ROCKS”は、
オープニングにふさわしく希望とともに深かった夜が開けていく光景
を彷彿。そこにSATOKOのパワフルなドラミングが加わり、JUON(vo,
g)も「新宿LOFT、楽しくやろうぜ!」「みんな、手をあげろ!」と力強く呼
びかけた。
“The way you decide”“Lyrics”…等身大の思いがヴィヴィッドに息づい
ての好曲が続く。「命がけで楽しませるようにします」とJUON。オーディ
エンスも拳を突き上げたり、JUON、JOE(b)と一緒にジャンプしたりとバ
ンドの情感に共鳴する。“DON'T NEVER STOP”ではオールド・ロック・
スタイルのねちっこいグルーヴに乗せ、お互いに魂をぶつけ合うように
コール&レスポンス。“モナリザ”ではJOEが『ドラゴンボール』の孫悟空
のかめはめ波の構えを見せ、JUONもスピーカー台に上がり渾身のギ
ターをかき鳴らした。
ラストはSATOKOのドラム・ソロから“What are u waiting for?”。軽快
な疾走感にフロアのあちこちからは手が挙がり、エンディングとともに
「みんな、愛してるぜ!」とJUON。ちょっとクサい気もするが、そういった
真っ直ぐな熱さが彼らの魅力なんだと思う。  
   

続いてはKNOCK OUT MONKEY。が然ステージ前のフロアは密集度
が高くなり、ライヴは“JET”でスタート。ヘヴィ&ポップなダイナミズムに
人の海と化したフロアが揺れ、あちこちで手が挙がった。
「新宿!」と呼びかけるw-shun(vo,g)。力強い歓声で呼応するオーディエ
ンス。dEnkA(g)も観客との距離を詰めるように前に出ていく。いつしか視
界はフロアで挙げられた手で遮られ、その隙間からステージを観る状態
となった。そんな中、逆巻く人海をオーディエンスのひとりがクラウドサー
フ。もちろんバンドも気合い十分であり、真正面からお互いのエモーショ
ンをぶつけ合うようなライヴには、メモを取る手にも思わず力が入る瞬間
が何度となくあった。
“Greed”ではいったん曲を止めて「新宿、調子いいぜ! やっちゃおうぜ!!」
とw-shun。“Challenge & Conflict”では、さぁこれからという時にdEnkA
がAEROSMITHの“WALK THIS WAY”のリフを弾きはじめ、亜太(b)、ナオ
ミチ(ds)もそれに合わせる場面があり、その後バンドはヘヴィなサウンド
でアグレッシヴに攻め立てた。「好き勝手にその場でジャンプしてみろ!」と
いうw-shunに、フロアも地面が隆起と沈降を繰り返すかのような激しいジャ
ンプで応酬。渾身の絶叫を見せたかと思うと、アカペラでソウルフルに歌う
w-shunの姿も胸に迫った。
さらには「かっこいい曲ができた」(w-shun)と、11月19日発売の4thシング
ルから“How long?”をひと足早く披露。“Paint it Out!!!!”ではフロアに人の
壁がそそり立っていき、次の瞬間には一気にクラウドサーフという名の土石
流に変わった。w-shunは、曲中で音楽やライヴハウスに対しての思いを
熱っぽく語り、最後も「踊ろうか?」と“Flight”でカオス&ポジティヴに締めく
くられた。

そしてトリはTOTALFAT。登場するなり「鬼退治の準備、パーティの準備
はできていますか?」とShun(vo,b)。Jose(vo,left-g)も「お前らまだまだ行
けるのか? 飛ばしていくからついてこいよ!」と臨戦態勢は十分。いきなり
の“夏のトカゲ”は場内を真夏のパーティ気分へと引き戻すようだった。エ
モーショナルかつポップな躍動感にフロアは揺れ、土石流も発生。密室
感のある会場でいくつものタオルが勢い良く回る光景も圧巻だった。
その後も短期決戦で鬼を仕留めるかのように攻めのナンバーが続いた。
「久々のLOFT、初めての列伝。楽しみしかない。俺たちの曲知らねぇと
かそんなの関係ねぇ。一緒に鬼を倒そうぜ!」
とShun。FOR FUNな空気の中、バンドと観客の感情が共鳴する。お立
ち台の上で楽しそうな表情を見せるShun、Kuboty(g)。フロアでは土石
流が激しさを増し、後方ではおしくらまんじゅうが始まり、その後は激しく
回るモッシュ・サークルも出現した。まさにパンク・ロックの楽しさを体現
するライヴであり、4曲終わった時点で鬼も場内のポジティヴなヴァイヴ
に当てられ、グロッキー寸前だったことと思う。
そんな中、鬼とは何なのかを語りはじめるShun。彼いわく「自分の中に
ある弱い心こそが鬼であり、そんな心に負けそうになったらライヴハウ
スに来い! 俺たちもでかい音で鬼を全部ぶちまけられるように頑張るか
ら」とのこと。場内の空気がグッと密度を増したことは言うまでもなく、本
編は“Just Say Your Word”“PARTY PARTY”で熱狂的に終了した。
そして最後は長きにわたって音楽シーンを支えてきた新宿LOFT、スペー
スシャワーTVに対するShunのリスペクトの言葉に続き、“Place to Try”。
フロアにはステージを完全にさえぎるオーディエンスの壁ができ、その後
一気に土石流化。肩を組んで飛び跳ねる観客の輪もどんどん大きくなり、
場内は笑顔で溢れた。

4バンドそれぞれにガツンと熱いものを観せてもらったと思う。


text by Tsunetoshi Kodama
photography by Photo by Kazumichi Kokei


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