原点となる場所でのワンマンで、
ROACHが示した「次への足掛かり」を目撃した!!

ROAHC
April 17th, 2015 at Shinjuku Marble, Tokyo

随分と久しぶりに、ROACHのライヴを見た気がする。彼らとは2013年に
ミニアルバム『GET MORE!!』の際に初めてインタヴューを行い、ツアーの
東京公演を何度か観た。その後もメンバーとはライヴやイベントの会場で
顔を合わせることこそあったものの、彼らのライヴにはなかなか行く機会
を作れずにいた。それがどうにかこうにか、最新シングル『リーリヤ-never
again-』のレコ発として行われた新宿Marbleでのワンマン2デイズの初日
に足を運ぶことができた。なんでもこのMarble、ROACHが初めて東京で
ライヴを行った場所なんだそうだ。Taama(vo)が何度も口にしていた通り、
原点回帰を意識した2日間となった。

予定の開演時間を若干過ぎたころ、ステージにバンドのマネージャーが登
場し、開演に先立って、注意事項をアナウンス。…のかと思いきや「危険な
のでモッシュ、ダイブは禁止です」と言い終わるや否や、自らステージダイ
ブをかましてみせた。なにがなんだか(笑)。突然の事態に沸き立つなか、
照明も暗転し、メンバーが姿を現した。

ライヴは縦に大きく弾むような“scream with love”からスタート。Taamaの
「始めようぜ!」を合図に“LINE”でのサークルピット、ダンサンブルなリズム
から2ビートへとアップダウンの激しい“MAKE HERE HELL”と続いていく。
以前…『GET MORE!!』のリリース後のツアー時よりも、随分とサウンドが
タフになっているように感じた。もともとハードコア・シーンから登場、沖縄
で米軍相手にライヴの場数を積みつつ全国を駆け回ってきたバンドだが、
『GET MORE!!』はかなりメロディを前面に押し出した作風だった。今思え
ば、当時はライヴも作品に引っ張られていたのかもしれない。その後シン
グル『CALL ME LAZY』と『リーリヤ-never again-』では、そのメロディを生
かしつつヘヴィなサウンドへの揺り戻しが見られた。その作風がまたライ
ヴにフィードバックしたのだろう。ここ数年の活動が実を結び始めている
ことが伝わってきた。

それにしても改めて、ROACHのサウンドはヘヴィながら、肩肘張ったとこ
ろがないというか…ギターのフレーズひとつとっても、Taamaの声にして
も、沖縄民謡のコブシまわしがDNAレベルで染みついているから、どこか
朴訥としているように思う。叩き落すようなブレイクダウンだろうと、駆け抜
けるような2ビートだろうと、威圧感や戦闘的なアティテュードは皆無。あく
まで笑顔にあふれているのだけど、SET YOUR GOALS等に代表される
イージーコア勢ともまた違う。どことなくまったりしているというか、素朴で、
ピースフルなのだ。ほかのバンドには絶対に出すことのできないものだし、
彼らが愛されている何よりの理由だと思う。
その愛され方を証明するかのように、フロアにはAIR SWELLやANGRY
FROG REBIRTHといった盟友たちの姿がチラホラ見られた。また“MY
FRIENDS FOREVER”ではa crowd of rebellionの宮田大作(vo)が日
本酒の一升瓶を抱えて登場。Taamaとのツインヴォーカルにてスクリー
ムしまくっていた。
またファンも負けてはいない。ふとTaamaが「人、少ないな」とポロリとこ
ぼすと、すかさず「もっと呼べるようになれよ!」と野次が飛ぶ場面が(誤解
なきように言っておくが、両日とも客入りはかなり多かった:笑)。かと思い
きや“桃色の風”や“don't hate but love”、“リーリヤ-never again-”では、
バンドサウンドもなしにフロア全体から大合唱が響いたほど。ステージと
フロアの壁もなく、全員が同じ目線で、ROACHの楽曲を楽しんでいるのだ。

「アンコールまで考えてセットリストを組みたくない。予定調和が嫌いだ」と
語るTaamaも驚きの、まさかのダブルアンコールを含め、およそ100分に
迫る大ボリュームで、ワンマン2デイズの初日を終わらせたROACH。どう
考えても、次の日にもワンマンのフルセット公演を控えたバンドのやること
じゃない(笑)。「明日、声が枯れてたらどうするんだよ!」と叫びながら、宮
田の持ってきた日本酒をラッパ飲みするTaamaを含め、その場にいる全
員を笑顔が、笑顔でMarbleを後にしたのだった。

ROACHは今年、『リーリヤ-never again-』を叩き台にし、さらに大きなア
クションを起こしていく。何をやらかすのかは、近いうちに明らかになるだ
ろう。


text by Yusuke Mochizuki


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