BREATHE CAROLINA、ATTILA、CRYSTAL LAKEらが
シーンの“今”を体現したSCREAM OUT FEST!!

SCREAM OUT FEST 2015
June 7th, 2015 at Shinkiba Studio Coast, Tokyo

2010年2月にスタートし、今年で6回目を数えるSCREAM OUT FEST。そんなメタルコア、ラウドロックの一大イベントが、6月7日に東京・新木場STUDIO COASTで行われた。2013年からは野外にもトレーラー式のステージが新たに設置され、INDOOR STAGE、OUTDOOR STAGE交互に内外の全11バンドが集結。約6時間にわたってシーンの「今」を体感することができた。さらに、今年はその前哨戦ツアーとして大阪、神奈川、名古屋で、HER NAME IN BLOOD(HNIB)、ARTEMA、a crowd of rebellion(ACOR)らによる〈SCREAM OUT FEST 2015“IGNITION TOUR”〉も開催。ここでは当日の暑さに勝るとも劣らず、新木場で繰り広げられた熱いライヴの模様をたっぷりとお届けしたい。

トップバッターは、8月19日に約1年半ぶりのニュー・アルバム『Artemate Party』をリリースするARTEMA。メタルコア、エレクトロ・サウンド、そしてジャパニーズ・メロディの融合をコンセプトに掲げる「KIRA☆CORE」を、剥き出しのエモーションでアグレッシヴに体現したと言える。そんなバンドに対し、フロアも激しく呼応。特にさまざまな色のペンライトを手にヲタ芸を見せる一団が目を引き、場内はのっけから長丁場のペース配分を無視した盛り上がりを見せた。「昨年12月にKentty(g)が抜けて模索を続け、デモも腐るほど作って、ようやくアルバムを出せるまできた」とKohey(g、vo)。そうした困難を4人で残り超えた自負は、がむしゃらなパフォーマンスに漲り、新曲からはさらなる展開に向けた思いも見て取れた。ラストは「まだまだ体力残ってるでしょ! 遊んでいけるでしょ!!」とMEG(vo)の煽りに、フロアに巨大なモッシュ・ピットが出現。早くもこの日最初のクライマックスを迎えた。

さらにINDOOR STAGEは、オーストラリアから初来日となるメタルコア5人組のCAPTURE THE CROWN。オープニングからバンドが一丸となって繰り出すボトムの効いたヘヴィ・グルーヴ、そして感情過多なジェフリー・ウェルフェアの魂の叫びが激しく心をかき乱し、悦楽的なダーク・ワールドのその先へと手招きした。モッシュやジャンプなどを煽りながらフロアと繋がろうとするジェフリー。モーリス・モーファウ(b)もお立ち台に上がると、ガタイの大きさがいっそう目を引く。カイル・デヴァネー(g)、ミッチ・ロジャース(g)の一挙手一投足にも熱気が息づき、バンドの濃密なパフォーマンスにステージが狭く感じられたりした。その一方では親日家としても知られるジェフリーが「Dreams Come True! Amaizing!」と深々頭を下げ、両手でハートを作ったりと憎めない一面を覗かせる場面もあった。最後は激しく波打つ人海へとギターの2人、そしてジェフリーがダイヴ。渾身のライヴを締めくくった。

観客をバックに記念撮影するキャプチャーを尻目に、筆者はOUTDOOR STAGEへ。午後3時の開演前より屋外もだいぶ過ごしやすくなっていたが、そんな中、メロディック・メタルコアの気鋭であるSailing Before The Windは、無骨なエモーションを前面に押し出すとともに、要所で叙情的な側面を織り交ぜ、存在感をアピール。ザクザク、ゴリゴリなヘヴィ・グルーヴに合わせ、キバオブアキバ待ちの集団(?)がオタ芸を展開し、そこに裸の外国人が絡むという図も場をさらに盛り上げた。

INDOOR STAGEに戻ると、まだ2組のライヴが終わっただけだというのに場内がほのかに汗臭かった。そして暗転とともに、真っ赤なライトに染められたフロアの空気が密度を増したのがHNIBだった。登場とともにIkepy(vo)はお立ち台の上でシャウトし、オーディエンスを揺動。フロアでは早くもフロアではウォール・オブ・デスが起こり、バンドも重戦車が周りを蹴散らかしながら突進するがごとく攻撃的なダイナミズムで場内を圧倒した。後半、「9月9日にメジャーのワーナーから新しい音源をリリースする」とIkepy。改めてHNIBらしさを凝縮するような新曲もいち早く披露され、その後はTHE OFFSPRINGの“Pretty Fly”の無骨なハードコア・ヴァージョンへ展開。場内がカオスと化したことは言うまでもない。貫禄をまざまざと見せつける圧巻のライヴだった。だが、その一方ではMakoto(b)が両手でハートを作ったり、ピコピコハンマーでTJ(g)を叩くシーンも、筆者は見逃さなかった。

再びOUTDOOR STAGEへ急ぐ。するとヲタイリッシュ・デス・ポップを旗印に、BABYMETALとのスプリット・シングルでもお馴染みのキバオブアキバがすでに、飄々と楽しく激しいパフォーマンスを繰り広げていた。この日で浅井(sampler、vo)が卒業ということもあり、ステージ前ではヲタ集団が乱舞。ライヴ途中にも関わらず浅井は「この曲が終わる頃には完全に(バンドとは)他人です」と最後を待たずに人海の中に消え、ステージ自体は新加入の女性ヴォーカリスト、satoshiを迎えた“Animation with you”でラスト。ライヴ中にメンバー交代を行ってしまうあたりもひとクセある彼ららしかった。

ここからは後半戦。INDOOR STAGEはCRYSTAL LAKE(CL)の出番であり、ストイックなアティテュードに裏打ちされての激しく硬質なCLダイナミズムに改めて魂を突き動かされる思いがした。フロアにぽっかり開いた穴ではオーディエンスがカンフーばりに暴れ、ステージに目を移すとHNIBのIkepyがドスの効いたヴォーカルでCLのエモーションに共鳴。Ryo(vo)もお立ち台の上で膝間付き、全身の感情をスクリームに込めた。「アホでも分かる曲持ってきたから、歌ってくれ!」(Ryo)とプレイしたのは“Ups & Downs”。もちろんこの曲にプリミティヴな衝動を掻き立てられないと言ったら嘘であり、バンドと観客の情感が激しく呼応した。その後も濃密なライヴは続き、約30分はあっという間。Ryoの「ジャンプ! ジャンプ!」の音頭とともに激しく波打つフロアの人海。ターンを決めるYudai(g)。人海の中でシャウトするRyo。ガツンと熱いものを見せてもらった。

そして陽がだんだんとかげり、潮風が体に心地好く吹きつけるOUTDOOR STAGEに登場したのが、新潟出身の“コシヒカリーモ”5人組、ACOR。刻一刻と運河の景色も変化していく時間帯に、宮田大作(vo)、小林亮輔 (vo,g)というツイン・ヴォーカルに擁した、ラウドさに叙情性が交錯する楽曲の数々は打って付けだった。“O.B.M.A”では宮田に合わせてオーディエンスが手を揺らし合唱。宮田も観客にマイクを渡すなど、激しさの中にもポジティヴな一体感が生まれた。

続くINDOOR STAGEは、アトランタのパーティ野郎などと評されるATTILA。もちろんメンバーは登場とともにノリノリで、ブルータルなデスコアにニューメタルの軽妙さを織り交ぜ、それまでに登場した「急」な攻めのバンドに対し、緩急をつけながら場内に「FOR FUN」なビッグ・ウェーヴを巻き起こした。
ジェットコースターのようなダイナミズムの屋台骨を支えるシーン・ヒーナン(ds)。全身白づくめの長身から飄々と人を食ったキャラでオーディエンスを扇動するクリス“フロンズ”フロンザック(vo)。クリス・リンク(g)、カラン・ブレム(b)も軽快にステージ上を動き、クリスはライトハンド奏法やメタリックなソロを決めるシーンもあった。なかなかのライヴ巧者なバンドに対し、フロアはコール&レスポンスやモッシュ、さらにカンフーで応酬。フロンズもラップをまくした、そして咆哮した。ライヴ後は観客をバックにちょっとおどけて記念撮影。ステージを去る際、パフォーマンスとは打って変わり、深々とお辞儀をするフロンズの姿も印象的だった。

この日のイベントを締めくくったのは、エレクトロ・ダンス・ロックの雄として昨年5月の『SAVEGES』も好評のBREATHE CAROLINA。2013年にカイル・イーヴン(g,key,scream)が脱退したことにより、デュオから4人組となっての来日であり、ライヴはオリジナルの片割れ、デイヴィッド・シュミット(b,key,vo)をフロントマンとしてフィーチャリング。後の3人はDJブースで機材を操作し、時おりひとりが前に出てきてデイヴィッドとフロアを揺動するといった構図だった。エレクトロ&ダンサブルなサウンドの高揚感が場内を包む中、それこそデイヴィッドは両手を突き上げながらジャンプしたり、ペットボトルを投げたり、さらには跪いて観客とハイタッチしたりと、常に場内と一体になろうとした。加えて、ATTILAの4人が登場する場面もあり、ライヴはポジティヴかつオープンマインドな余韻を残して幕を閉じた。終わらないアンコールに、デイヴッドはステージに姿を現し、オーディエンスと握手。濃い1日だった。


text by Tsunetoshi Kodama
photography by Taka Konuma


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