新ミニ作『SHANK OF THE MORNIG』発売に
伴う全国ツアー終了!

SHANK
December 2nd , 2015 at Shibuya Club Quattro, Tokyo

SHANKの、新ミニ作『SHANK OF THE MORNIG』発売に伴う全国ツアーの一環で行われたSHANK OF THE MORNING TOUR FINAL TOKYOを観た。間抜けな話、このライヴは12月1日(火)だと勝手に思い込んでた。正解は言うまでもなく翌日2日(水)(滝汗)。二度足を運んだぶん(前日は会場近くのファミマの前までいった)、さらに楽しめたと思う自分がここにいる(笑)。

サポートアクトとして友情出演したのは、SHANKからしたらもう大先輩格にあたるKEMURIだ。この夜のライヴ写真がないためお見せできないのがまことに残念だけど、彼らのパフォーマンスは「さすがっ!」と思わせるとても充実した内容だった。ズッシリとした説得力のある演奏をはじめ、それから次から次へとまるで打ち出の小槌のごとく繰り出される名曲、代表曲、佳曲の数々は、ほとんど“生”でベスト盤を聴いてるかのようだった。そして伊藤ふみお(vo)によるまったく独自の、かつポジティヴなMCもあり、彼らがいつも自らのライヴで対峙するお客さんたちよりも、少々若年層が大半を占めた客席全体をしっかり掴んでたのがとても印象的だった。これはもうベテランだからこその成せる業だ。見事だった。

    ■KEMURI set list
    01. New Generation
    02. Knockin' on the door
    03. WIND MILL
    04. Ohichyo
    05. HATE
    06. Prayer
    07. Standing in the rain
    08. O-ZORA
    09. Sunny Side Up
    10. PMA
    11. Ato Ichinen

KEMURIからバトンを受けステージに登場したのが、この夜の主役SHANK。メンバー3人が姿を見せるや否や、すぐに目がいったのが庵原将平(vo,b)、松崎兵太(g,vo)、池本雄季(ds,vo)の顔つき、表情だった。その前最後に会ったのが今夏のDEAD POP FESTiVAL 2015だったのだけど、そのときよりみな一様にさらにりりしく、“なにかを体得した”表情、顔つきをしてた。松崎に至っては身体をひと回り絞ってた。そんな3人を目の当たりにして、長期ツアーを経験することでライヴバンドとしてより歩を前に進めたな、とピンときた。そして、新ミニ作のド頭を飾る新曲“First Light Anthem”で思いっ切り疾走しだした。その途端、客席が大炸裂したことは言うまでもない。新曲の次に“Restart”なる、公式デビュー曲(2008年)を続けたのには「ひねりが効いてていいねぇ」と一瞬「ぷっ」となりかけたけど、演奏力はもう強烈の一言だった。疾走するにしてもただちょっ早なんじゃなく、しなるような弾力性と瞬間的に惹きつける吸引性みたいなものを伴うゆえ、ほぼ問答無用的に気持ちはもちろん、身体までもっていかれる。これぞライヴバンドとしての真骨頂であり、あるべき姿だ。頭2曲だけで「うほっ、かっけー!」と思ったほどだ。

この日より2週間ほど前に観たHEY-SMITHのライヴもそうだったけど、SHANKのライヴに足繁く通うお客さんたちもまた、若い。十代中盤から20代前半が主な観客層だ。若いがゆえにエネルギーやうっぷんを持て余してるし、それをある部分制御しコントロールしつつ出そうとかいうことにはまだまだ未熟なぶん、頭っからフルスロットルで、かつ真っ正面から挑んでくる。その勢い、エネルギー、熱量たるやハンパなく、それが場内を揺るがすくらいの大きな盛り上がりへと転化される。途切れることなく、客席のあちこちからクラウドサーファーが飛び出してはカメラマンピットへと雪崩落ちていく。こうした光景を目の当たりにさせられるたびに、「人間の先祖って実はトビウオかなんかじゃね?」と思う(笑)。

そうした大きな盛り上がりを面前にしても、SHANKは決して手を緩めない。ツアーを長く続けてることからバンドは完全に“ライヴ体”と化し、間断なくお馴染みの曲を放ってくる。幼馴染みということもデカいんだろう、それぞれの呼吸がピッタリだ。トリオだからと言って出音の薄さなんてコレッぽっちも感じさせない、その状態で全方位的にたたみかけてくる。寸分の乱れもなく、隙もない。3人がまるで一枚岩のようだ。これに観客たちも必死になって喰らいついていき、絶対に引くこともギヴアップすることもない。こうして自然と観客たちとバンドの間に一体感が生まれていく。長崎弁モロ出しのMCのやり取りも面白かったし、“Grimy Window”にはKEMURIの管楽器隊3人コバヤシケン(tenor sax)、河村光博(trumpet)、須賀裕之(trombone)が飛び入り参加し、ブハブハ言わせながら曲に花を添え、さらに盛り上がりを大きくした。この飛び入り参加はライヴ当日、それもバンドが会場入りした後に決まったことだそうで、音合わせなどは一切なしのぶっつけ本番だったそうだ。これまたベテランの妙技だ。

この夜、SHANKは実に心地よく最初っから最後まで一気に駆け抜けた。来年2016年も今年以上に我々を大いに楽しませてくれることを確信した、実に熱い熱い夜だった。


    ■SHANK set list
    01.First Light Anthem
    02.Restart
    03.Take Me Back
    04.Weather is Beautiful
    05.Cigar store
    06.HOPE
    07.Wake me up when night falls again
    08.Timeis…
    09.Two sweet coffee a day
    10.Departure
    11.Good Night Darling
    12.Isn’t She Lovely
    13.Love and Hate
    14.It’s not a game
    15.Grimy Window
    17.Set the fire
    18.Long for the Blue moon
    19.submarine

text by Hiro Arishima


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