ライヴならではのダイナミズムを
見せた、The Cackooのライヴを目撃!!

The Cackoo
August 1st, 2014 at Shimokitazawa Shelter, Tokyo

7月頭の、これから暑さも本格化しようか…というタイミングにリリースされた、
The Cackooのデビューミニ作『Schwarzwald』。鋭角的なのだけどポップ
で、メロディアスでダンサンブルだけどアグレッシヴな彼らのサウンドは、初
めて聴いたときからかなり気に入っていた。往年のインダストリアルやニュー
ウェイヴ等はもちろん、メタルやハードコアといったラウド系の要素もあり、
シューゲイザー的なオルタナの匂いも感じさせたりと、幅がありつつビシっ
と瞬発力と即効性のあるサウンドに仕上げる手腕は、相当なものだと思っ
た。作品のコンセプトをプロット(物語の設計図)化するというこだわりにも、
何かを感じ取った。
まぁ御託を並べたが、またいいバンドを見つけたから、ライヴも観たいなと
いうことで、下北沢SHELTERまで行ってきたというわけだ。

この日は彼らの所属するNatural Hi-Tech Recordsによる企画「N.O_2」
で、共演は流血ブリザード、T.C.L、ZIZ等の計6バンド。The Cackooがス
テージに立ったのは3番手、20:25のことだった。

ライヴはSEも、メンバーからの始まりの合図もあいさつもなく、突然照明が
暗転し、スタート。まずは“Gogh”からだ。音源以上の硬質のサウンドに驚い
たが、同時にCD音源ほどにプログラミングが目立っていないことに気付い
た。Masashigeのドラムを含め、全体としてかなり肉体的かつ攻撃的なサウ
ンドだし、Tetsu(vo)の歌も、より生々しいものとして響いていた。「音源とラ
イヴ、それぞれの良さがあると思うので、それを表現していきたい」とインタ
ヴューで言っていたのは、こういうことか。かと思えば、照明は後ろからメン
バーを照らすのみなので、写真と同様、メンバーの顔はなかなかハッキリ
と認識することができない。徹底した美意識はステージでもキープしつつ、
バンドとしてのダイナミズムを表現しようといているように思えた。

続く2曲目は、シンセポップ風のメランコリックなメロディが光る新曲。うっす
らと靄のあるというか、影のかかったような『Schwarzwald』にはなかったよ
うなサウンドだ。後半でよりダウナーに展開していくさまには、やはりニュー
ウェイヴやインダストリアル等からの影響を強く感じ取ることができた。思っ
た通り、手の内はまだまだ持っていたか。
そのメロウさを引き継いだまま“HOWL”に突入し、また徐々にギアを上げて
いく。そして重心を低く構えたヘヴィチューン“疾走するこの衝動で境界線を
飛び越えていく”へとなだれ込んでいった。“疾走するこの衝動で~”は電子
音が四方八方から飛び散る曲だが、ここでもやはりバンドのフィジカルなサ
ウンドを前に押し出しているように思えた。どの曲でも、『Schwarzwald』で
は見せていない意外性を突きつけてくる。
ラストはPVも制作したキラートラック“aftersin”で締め。やはりこの曲が、現
時点での彼らの魅力を凝縮していると思う。まだまだ様子見といった印象だ
ったフロアからも、少しずつながら手が上がるなど、反応が伝播して言った。

とにかく、最後までMCもなく、ひたすら曲を連打する20分/5曲だった。全
体としては曲と曲の間がもっと埋まって、畳み掛けるような構成になってい
ればいいと思ったし、バンド全体のまとまり等、より研磨していけば、より光
るものはある。とはいえ、彼らは結成してからまだまだ日が浅いし、ライヴも
シークレットで敢行したものを含めても、まだ本数は多くない。本当に、まだ
まだこれからのバンドなのだ。
彼らの音源にも、メンバーそれぞれのプレイにも、個人的には相当のセンス
を感じている。だからこそ、これからバンドとしていろいろなものを積み上げて
いけば、大きく化けるに違いない。これからの長い道のりの第一歩をしっかり
と覚えておこう。


text by Yusuke Mochizuki


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