5人組となったTHE STARBEMSを
とことん堪能した夜!

THE STARBEMS
Novemver 15th , 2015 at Shimokitazawa Shelter, Tokyo

2枚目のフル作『VANISHING CITY』発売から1年――。その間に2度のメンバーチェンジを経験したハードコアパンクバンド、THE STARBEMS。傍から見てて“バンマス”日高央(vo)よ、大丈夫か?と思ったときもあったけど、ここにきて一気に新展開を見せた。新曲2曲を事前にフルで無料公開し、その2曲を含めた新曲3曲入り会場限定シングル『FIGHTING FATE』をもって、10月より7都市を転戦する全国ツアー、CLICK OR TREAT 2015に出たのだ。最終公演地となった東京は11月14日、15日の週末2日間。2日目のワンマンライヴの方を観た。ワンマンライヴはTHE STARBEMS史上初のことだ(初日はKEMURIが友情出演した)。

日曜日は大方、ライヴ会場はどこもかしこも開場時間が早く、同様に開演時間も普段よりも早い。夕方5時の開場時間から程なくして、下北沢の名物ライヴハウスSHELTERの場内は人人人、また人でいっぱいになった。そして定刻の夕方5時半を少し回った頃にメンバー全員が登場、それぞれ所定の位置につき“THE CRACKIN’”で滑走しだした。THE STARBEMSのライヴ時最大の魅力&醍醐味は、なんと言っても曲の尺は短めながらサビと上に乗っかるメロディのフックが極めて強く、それらが間断なくブッぱなれるところにある。観る者たちにひと息つく暇など一切与えない。まさに押っせ押せの攻めっ攻めだ。にもかかわらず、曲やサウンドの形態がそれゆえ、“美麗さ”“まろやかさ”が観る者たちをしっかりと掴み込み、ひと時たりとも離さない。だから楽しく暴れられ、一回一回のライヴのインパクトも強烈なのだ。

日高は常に歌いながらの“司令塔”のよう。その真後ろに構え、実は大の“映画鑑賞好き”だという高地広明(ds)と、彼の斜め前に立ち、日高とは長いつき合いの友人で、前任の寺尾順平脱退後に招かれしばしサポート要員だったものの今夏正式メンバーへと昇格を果たした山下潤一郎(b/元ASPARAGUS)の“リズム隊という名の屋台骨”がきっちり支え、THE STARBEMSならではの持ち味&カッコよさに重みを持たせる。フロントの、向かって右側に立つ越川和磨(g/元毛皮のマリーズ)はポーカーフェイスでありつつ決めるとこは決め、主張すべきとこは主張し、実にうまく“ギタリスト的演出”を図る。反対側の左に立つ菊池篤(g)は越川とは真反対で、その存在からしてエモーショナルだ。この両ギタリストのコントラストがとても“イイ絵”になってる。『VANISHING CITY』発売から半年ぐらいまではゴスケこと後藤裕亮(g)が在籍し、トリプルギターの6人編成だった。この編成は日高のこだわりのひとつでもあり、取材で「70年代にはそうしたトリプルギター編成のロックバンドが珍しくなく、なんかステージ上がわちゃわちゃしてて楽しそうだったじゃないですか」との発言もしてる。しかし、ゴスケ脱退後は「最初は後任ギタリストを迎えることも考えましたけど、いざとなったら自分が弾けばいい」と、発言の趣旨が一、二歩進んだものになった。ライヴ時のステー上での見てくれ、ビジュアルは、ロックバンドにとってはある意味生命線のひとつだ。それゆえ日高がこだわる理由もよくわかる。しかし、ツインギター編成5人組になった新生THE STARBEMSも視覚的にも十分カッコいいことをこの夜彼らは自ら証明した。と同時に“6-1=5”でサウンド面に薄さが出るんじゃないかとの危惧もあったのだけど、そんなことは微塵も感じさせなかった。THE STARBEMSは5人編成となり、そのあり方を磨き、鍛錬してることもよくわかった。今バンドの状態はすこぶるいいと踏んだ。

それだけに観客たちはTHE STARBEMSに喰らいついていくので必死の様相だっだ。決して広くはないフロアに頻繁にモッシュピットが起こり、回ったり、弾き飛ばされ輪の外に出たらまた戻ったり。ときにはたくさんの拳が一斉に上がったり、跳ねたり、飛んだり。またときには大声で歌ったり、と“ライヴ時の観客たちのあらゆる生態”を見せ続けた。その盛り上がりようはかなりのものでハンパなかった。お腹いっぱいの24曲、1時間半強のパフォーマンスだった。

最近、日高はよくこう口にする。「2016年は絶対に新フル作を出したい」と。来年のTHE STARBEMSも楽しみでならない。


text by Hiro Arishima
photography by Shin Ishihara


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  • ■Set list■
  • 01. THE CRACKIN’
  • 02. FIGHTING FATE
  • 03. PITFALLS
  • 04. MAXIMUM ROCK 'N' ROLL
  • 05. EVERYBODY NEEDS SOMEBODY
  • 06. HUMAN RIGHTS
  • 07. VANISHING CITY
  • 08. NO REACTION
  • 09. PIG MINISTRY
  • 10, HIGH RISK
  • 11. LET LIGHTS SHINE
  • 12. WISE BLOOD
  • 13. SUBLIME
  • 14.チェインギャング (cover of THE BLUE HEARTS)
  • 15. ARE U SURE?
  • 16. THE MIDNIGHT SUN
  • 17. FORGIVENESS
  • 18. JINGLE JANGLE SONG
  • 19. SWEET NOTHING BLUES
  • 20. DESTINY
  • --ENCORE 1--
  • 21. WORKING YOUTH
  • 22. EVENING STAR/MORNING STAR
  • --ENCIRE 2--
  • 23. FUCKIN' IN THE AIR
  • 24. GOODBYE-BYE LOVE

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