多彩なアイディアをカオティックにぶちまけ、
その混沌から浮かび上がる熱気をアピール!!


彼ら流のハードコアなんて言える新境地がファンを驚かせた前作『CON-
DUIT』から2年、FUNERAL FOR A FRIEND(FFAF)が7作目のアルバム
となる『CHAPTER AND VERSE』を完成させた。ひょっとしたら前作を聴き、
驚いたファンの中にはFFAFを自分たちが進むべき方向性を迷っているの
かもしれないと感じた人もいるかもしれない。しかし、新作を聴けば。彼ら
が決して迷っても、進むべき道を見失ってブレているわけでもないことが
改めてわかるはずだ。

ハードコアの影響が色濃いという意味では、前作の延長上にある作品と言
えそうだが、リード・ギターがメロディアスなフレーズを奏でる“You’ve Got
A Bad Case Of The Religions”や、ヘヴィなリフでぐいぐいと押しながら
キャッチーなメロディを歌い上げる“Pencil Pusher”からは、前作以降の作
風に、彼ら本来の持ち味を溶け込ませる作り方をバンドが見つけたことが
うかがえる。低音で唸る、地を這うようなベースラインが作り出す重苦しい
ムードが一点、サビで一気に視界が広がるような展開があまりにも痛快す
ぎる“You Should Be Ashamed Of Yourself”も、昔からのファンから大歓
迎されるはず。

だからって、単純に原点に戻ったわけではなく、2ビートで突っ走るまるでメ
ロコア風の“After All These Years…Like A Lightbulb Going Off In My
Head”、正調ハードコアの“Modern Excuse Of A Man”をはじめ、後半は
パンク・ハードコア度がぐんとアップするところがおもしろい。前作は多彩な
アイディアを簡潔にまとめた印象があったが、今回は多彩なアイディアを
敢えてカオティックにぶちまけ、その混沌やそこから浮かびあがる熱気を、
我々リスナーに聴かせようとしているようだ。ハードコアの影響と、本来の
FFAFらしさが整理されないまま交じり合う“Inequality”、“Donny”のような
曲と、哀愁メロを歌い上げるアコースティック・ナンバーの“Brother”が並ぶ
終盤は、なかなかに刺激的だ。マット・デイヴィス(vo)が“You Should Be
Ashamed Of Yourself”で聴かせるアジテーション風のボーカルも新しい。

結成から13年。ガタピシ言いながらもメンバーチェンジを乗り越え、バンド
はまだまだ進化を続けている。ボーナス・トラックとして日本盤のみ収録さ
れる“Rookie”は初期のFFAFを思わせる好カヴァー(原曲はスクリーモの
先駆けと謳われるBOYSETSFIRE)。ファンなら聴いておきたい。


text by Tomoo Yamaguchi


 FUNERAL FOR A FRIEND
 『CHAPTER AND VERSE』
 1月21日発売