日本への愛をぎゅっと詰め込んだ、
LUCY’S CROWN初のフルアルバム!!



このレヴューを書いているとき、バンドは飛行機に乗ってオーストラリアに帰っている頃だろう。2016年最初のFOUR unite ONEで来日したLUCY’S CROWNの新作『COLOURED RAIN』、いよいよリリースだ。

これまで、彼らのライヴ会場で販売していたアルバム『ALL IN LACE』は、実は過去のEPを1枚にまとめた、いわば企画盤だった。加えて、流通に乗せられてもいなかった。なのでこの『COLOURED RAIN』が、彼らにとって初の正式なフルアルバムであり、かつ初めて全国流通をさせた、いわば本当の意味でのデビュー作となる。今回を含めて4度も日本ツアーを行っている彼らとしても、まさに悲願だったことだろう。

サウンドは、基本的にこれまでの作品を踏襲したものだ。メンバー自身も公言している通り、NIRVANAやPEARL JAM、STONE TEMPLE PILOTS等からの影響を色濃く反映させた、ブリっとしたファズギターがうなりをあげるグランジ/オルタナティヴ・ロック。そこにルーシー・ブルー(vo,piano)が持つクラシックやバレエといったバックグラウンドを混ぜ合わせることで、独特のシアトリカルな空気感を作りだしている。それに加えて、今回は格段にポップなメロディが増加。より明るく、聴きやすくなっているのだが、やはりバンドの充実感、ポジティヴな空気、初のフルアルバムへの意気込み、何よりも日本への愛が結実した結果だ。

図太いリフから幕を開けつつも、中盤の「Ah, ah」というささやきがかわいらしい“Forever”、気だるげなリフとメロディがまさにグランジ! な“So Lovely”に続く。“T.O.K.Y.O”は、タイトルの通り、過去の来日の際にインスパイアされた楽曲だそう。ルーシーのカラフルなヴォーカルが降り注ぐようなタイトル曲“Coloured Rain”もいいし、ピアノとトライバルなドラムが徐々に盛り上がっていく“Wash Your Tears”も印象的だ。少しギアアップした“Bother You”から、ラストのしんみりした“Rhapsody”への流れもたまらない。

正直、トレンドのサウンドではないし、派手なプレイやトリッキーな展開もない。しかし、時間に流されないタイムレスな魅力が宿っている。LUCY’S CROWNの本格デビュー作は、今だからこそ、純粋に楽曲の良さで評価されるべきグランジ/オルタナティヴ・ロック作となった。


text by Yusuke Mochizuki

 LUCY'S CROWN
 『COLOURED RAIN』
 1月27日発売