前作より新たな進化・成長・発展を
とげた2枚目を聴くべし!!


SHREDDY KRUEGERの通算2枚目『DEEPER DARKER』だ。

このバンドはもともとはSTUTTERFLYが起点となってる。いわゆるポストハードコア/スクリーモの2ndジェネレーションの筆頭株のひとつで、カナダ産ながらUS同シーンにおいて頭角を現した。2002年発売のデビュー作『BROKEN PIECES』(日本盤未発売)は当時の“隠れた名盤”と囁かれたほどだ。ただ、流通の状態が悪く、ほとんど日本に輸入されることがなかったため、早耳な同音楽マニアはみな血眼になってあちこち探し回った、というエピソードが残ってる。STUTTERFLY名義じゃメジャーのMaverickに移籍後にもう1枚『AND WE ARE BLED OF COLOR』(2005年/日本盤未発売)を残した。が、しかし、その後解散し、3人の元メンバーが2人の新メンバーを迎える形でSECRET & WHISPERへと発展させた。当時“ポストハードコア/スクリーモ専門レーベル”とまで言われ、強大な勢いを放ってたTooth And Nail Recordsと契約し、『GREAT WHITE WHALE』(2008年)と『TEENAGE FANTASY』(2010年/日本盤未発売)を出した。前者はジャケ違いで日本盤化され、ラウパー08参戦で初来日もした。しかし、『TEENAGE FANTASY』発売してからしばらくしてチャールズ・フィン(vo)がソロ音源を発表するなどバンドから離れた活動をするようになり、それがきっかけでバンドは活動休止を宣言、そのまま解散を迎えた。そこでメンバー3人のうちのひとり、ジョーダン・チェイスがベースを置き、リードシンガーへと転身、デイヴッド・エッカー(g)とライアン・ローク(ds)はそのままに新たにトリスタン・ラッティンク(g)を招いた4人編成でこのSHREDDY KRUEGER(SK)が誕生した。2011年のことだ。今現在のマネージャー氏がA BLESSED BY A BROKENやSTILL REMAINSなどを手がけてたことから長いつき合いがあり、彼の紹介によりSKとしてのデビュー作『THE GRIEVING』(2013年)をGrindHouse recordingsよりリリースしたというわけだ。

2枚目にあたる今作『DEEPER DARKER』は、『THE GRIEVING』のリミックス作の配信オンリーでの発売を経てのものだ(近日中に日本でもiTunesで購入可能予定)。近年、ポストハードコア/スクリーモは“エレクトロ化傾向”を色濃く見せるバンドたちが少なくない。しかし、SKはその動きには共鳴、同調せず、この音楽の最大の特徴である“激”“重”“美”“動”“静”“優”という六つの要素の共存共栄をよりデフォルメさせ、極め、ピーク値に押し上げるというアプローチに徹してる。その最良形と断言できるのが、今作だ。六つの要素が混ざり合い、そして描き出すコントラストが実に秀逸だ。美しく、そして激しく、ヘヴィで、ときに流れるような優しさ、穏やかさも顔を覗かせ、SKが今作でさらなる成長・進化・発展をとげたことが如実に出てる。完成度はかなり高い。日本盤のみのボートラとして追加収録した2曲。“My Hero”はFOO FIGHTERSの、“This Could Be Anywhere In The World”はALEXISONFIREのカヴァーだ。



text by Hiro Arishima

 SHREDDY KRUEGER
 『DEEPER DARKER』
 発売中