ヘドバン野郎御用達のジャズカルテット、
説得力を増した圧巻の4thフル作!!


お洒落と大暴れの間を豪快に行き来するピアノ。ときに歌いときに唸り、
ハードボイルドな粋を体現するサックス。パンク・ハードコアならではの
ストレートな攻撃性を詰め込んだベースの低音。やはり直情的ながら
も、ジャズ由来の多い手数も垣間見せるテクニカルなドラム。インスト
ジャズパンクバンドKAGEROによる4thとなる今作は、サックス、ピアノ、
ドラム、ベースというジャズバンドの構成でありながら、攻撃的/暴力
的といった言葉がピッタリのサウンドを、リスナーに叩きつけてくる。

今作はなんと言っても、冒頭“OVERDRIVE”をはじめファスト&ヘヴィな
演奏を主軸にしつつ、存在感あるメロディを登場させる手腕が絶妙だ。
ポップな明るさを前面に出した“flower”や、力強くも物悲しい旋律が渋い
“ill”等「歌心」を強く感じさせるサックスが、随所で渋く活躍している。

攻撃性に満ち満ちた作品ではあるが、攻め一辺倒というわけでもない。
緊張感あるリズムながらしっとりと色っぽい“13 -Thirteen-”や、軽快ク
ラブジャズといった風情の“MY SLEEPING BEAUTY”などクールに洒
落た曲もあり、緩急一筋縄でいかない曲が揃っている。なかでも、穏や
かさと鋭さが豪快に交錯する“LITTLE GARDEN”でのごった煮な狂気
は、実に強烈だ。

最後は霧雨のようなピアノが印象的な“The Spring Landscape”でクー
ルダウンしてから、愛嬌たっぷりに騒ぐ“CRY BABY”で賑やかなカーテ
ンコールよろしく幕を閉じる。アルバム通して聴いたときのカラリとさわや
かな余韻も特筆しておきたい。

近年はメタル畑出身のジャズバンドや、フュージョンからハードコアサウ
ンドにアプローチしたバンドなどが続々と登場し、ネット上では「Jazzcore」
という言葉も散見されるようになってきている。そんななか、KAGEROが
今作で研ぎ澄ませより説得力を増したサウンドは、国内外問わずそのシー
ンを切り拓く大きな一手だ。


text by Hiroaki Mori


 KAGERO
 『KAGERO IV』
 10月15日発売

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