今のAMARANTHEを最大化するとともに、
未来への展望も照らす4thアルバム!!



作品タイトル、そして冒頭の曲名が、すべてを物語っている作品である。

音楽…とりわけ洋楽が厳しいと言われて久しい昨今において、デビューと同時に破格のブレイクを果たしたAMARANTHE。2011年にセルフタイトルの作品をリリースしてから、早5年になる彼らが、ここに新作『MAXIMALIZM』をお目見えさせた。すでに4作目と、かなりのハイペースを保っている創作意欲には脱帽するばかりだ。

AMARANTHEはスウェーデンのメロディック・デスメタルを基盤としつつ、エリーセのR&B的な抑揚を持つ歌声やエレクトロニクス等を幅広く取り入れることで、メタルの外側からも評価されてきた。そんな彼らにとって、2014年の前作『MASSIVE ADDICTIVE』はバンドの可能性を押し広げた作品だったと思う。楽曲のスピード感を落とす代わりに、ダンサンブルなリズムを取り入れたり、メロディの割合を増やす等、それまでとは違ったアプローチが目立っていた。誤解を恐れずに言えば、ポップス化。より広い世界にもアピールできるサウンドを目指していた。そして新作ではそれを踏まえつつ、再び初期作品の空気も復活。前作では出番が少ない印象だったヘンリクのグロウル・ヴォーカルも、登場頻度が増えた。
まさにAMARANTHEな節を聴かせる“Maximize”“Boomerang”の2曲で、まずガッツポーズ。グロウルなしのポップソング“That Song”や、パワーバラード“Limitless”でおや、と思わせてから、疾走するメロデス・チューン“Fury”をカマすのも熱い。ラストは、エリーセが初めてひとりで歌いあげた、まるで映画のテーマ曲のように壮大な“Endlessly”で幕引き。最初に書いた通り、本作はAMARANTHEがこれまで培ってきたものをすべて「Maximize=最大化」させた作品なのだ。前作の方向性で、これから脱メタル化が進むかもしれない…と思っていたので、しっかりと出自を見せつけるような作風になっていることで一安心。司令塔であるオロフ(g)をはじめ、そのミュージシャンシップと作曲能力、ポテンシャルの高さとともに、バンドの最大値を大きく更新させた快作だ。

先日、スペシャルゲストとしてHELLOWEENの来日公演に帯同し、1年強ぶりに日本でライヴを行ったAMARANTHE。これまでとは違った変則的な形ではあったが、今度は彼らのヘッドラインで、フルセットを実現させてくれるはずだ。AMARANTHEの躍進は、まだまだ止まらない。


text by Yusuke Mochizuki


 AMARANTHE
 『MAXIMALISM』
 10/19発売