これまでのキャリアを踏襲しつつも、
新たな光に辿りついたスマパンの姿!!


解散に再結成、たび重なるメンバーチェンジ…。そこいらのバンドの数倍の紆余
曲折を経験しつつも、ひとつの時代を作り上げるだけでなく、今も一線で活躍す
るスマパンこと、THE SMASHING PUMPKINS。その影響力はエモ/スクリー
モからヘヴィロック勢はもちろん、MAN WITH A MISSIONといったアーティスト
にまで及んでいる。
その彼らによる2年ぶりの新作が、この『MONUMENTS TO AN ELEGY』だ。

タイトルに「ELEGY(哀歌)」とつけるだけあって、作品全体をデリケートでメランコ
リックな空気が包んでいる。とはいえ、暗い雰囲気に終始することなく、むしろポジ
ティヴな響きに満ちてもいるのが肝だ。
図太いギターノイズとポップながら影のあるメロディが絡み合い、それを鉄壁のリ
ズムが支えるという、お家芸は普遍。またエレクトロニクスで彩りや味付けを施した、
きらめくようなサウンドにも磨きがかかっている。
同時に、前作『OCEANIA』で見せた「引き算」も生かされている。昔の作品のように
音をひたすら詰めこむのではなく、サウンドに余裕とすき間を持たせたことが、先に
触れたポジティヴさにつながっている。

バンド初期を思わせるズッシリとした重厚さの“Tiberius”、“One and All (We Are)”、
“Anti-Hero”等はもちろん、“Being Beige”“Run2me”のような、センチメンタルなが
ら輝くようなメロディが光る佳曲、ポップさのなかに実験性をにじませた“Anaise!”や
“Drum + Fife”ほか…とにかくどこを切っても「スマパン」なのだ。アーティスト写真
には、もはやビリー・コーガン(vo,g)しか写っていないが、そのビリーがいればスマ
パンはスマパンたりえること、そして彼の才能はまだまだ底が知れないことを、およ
そ39分というバンド史上も最もコンパクトな内容で明確に提示する作品だ。

ちなみに2015年中に、次作『DAY FOR NIGHT』のリリースも予定しているとのこと。
前作『OCEANIA』、今作『MONUMENTS TO AN ELEGY』、そして次作と、どれも20
09年に制作をスタートさせた44曲入りのアルバム『TEAGARDEN BY KALEIDOS-
COPE』の一部らしい。ここからまた次へと進んだスマパンが、年内にお目見えする
はずだ。


text by Yusuke Mochizuki


 THE SMASHING PUMPKINS
 『MONUMENTS TO AN ELEGY』
 2月25日発売