たかがなれどされど、そしてだからこその
ロックンロールの輝きが胸を熱くする3rdフル


2月のGrindHouse主催のライヴイベントpre-GrindHouse jamboree Vol.2
にも出演したONE BUCK TUNER。計4バンドが多彩にパンクの形を示す中、
世知辛い世の中の喜怒哀楽を小気味好いパンク、ひいてはロックンロールに
昇華した彼らが、5月28日に3rdフル・アルバムを発表する。

昨年8月の『SONIC』以来、シングル2枚、ミニアルバム1枚とリリース攻勢を
かけてきた3人だが、それだけバンドが波に乗っているということなのだろう。
今作にも自らのルーツであるTHE BEATLESや初期パンク、GREEN DAYな
どの影響が感じられると同時に、地に足を着けて“今”を生きるロックンロール
を追い求める姿が刻み付けられている。

アルバムは“Merry Go Round”から快調にスタート。3人のエモーションが瑞々
しく交錯してのダイナミズムで飛ばし、シンガロングなサビからはライヴ会場が
大合唱とともに一体となる図が想像できる。

続く“Business Rock”は、いきなりのドゥーワップ的なコーラスに思わずニヤリ。
河内由揮(vo,g)と矢野淳一(b,vo)のかけ合いも心地よく、持ち前の懐の深さが
コンパクトかつポップに息づいた好曲となっている。

また、タイトルどおりに切迫感や焦燥感が心に迫るのは“Too Late”。とはいえ、
その一方ではメンバーそれぞれの人の好さも見て取れ、ONE BUCK TUNER
節とでも評すればいいのか、最後に憎めない印象を残すのもまたこの曲だっ
たりする。 その他センシティヴなポップ感がモッドに息づく“what am I 2 u”、ポ
ジティヴなエモーションが躍動する“Our Breath Like a Fire”、MVも制作された
“Tokyo Colors”など全14曲。月並みな言い方だが、たかがなれどされどなロッ
クンロールであり、逆にだからこその輝きが胸を熱くする一枚だ。


文・兒玉常利 / text by Tsunetoshi Kodama


 ONE BUCK TUNER
 『Bye Bye Radioman』
 5月28日発売