凶暴さと泥臭さをさらに増した、
CANCER BATS渾身の一打がここに!!


つい先日、3月6日(金)に「good evening with…CANCER BATS」と題した日本
公演を池袋KINGSX TOKYOにて行ったCANCER BATS。日本に来ること自体が
5年ぶりなうえ、初の小さな会場でのヘッドライン・ショウとなった今回、汗とツバと
怒号が飛び交う壮絶なライヴを見せつけてくれた。そんな彼らの3年ぶり、5枚目
の新作がこの『SEARCHING FOR ZERO』だ。

プロデュースはなんと、KORN等を見出したあのロス・ロビンソン。彼によって、バン
ドは自分たちの心の奥底で渦巻いている感情を、余すことなく引き出されたそうだ。
メンバー自身「自分たちにこんなことができるなんて」と驚いたとか。結果、BLACK
SABBATHをはじめとした70年代のバンドからの影響がこれまで以上に噴出し、泥
臭く、サイケデリックでドゥーミーな要素がさらに強くなった。しかしただ懐古的にな
るのではなく、あくまでCANCER BATS流のハードコアな解釈で音が鳴り響いている。

実際、来日公演でも披露された“Satellites”、“True Zero”、“Buds”といった曲を聴け
ばわかるだろう。泥を巻き上げながらじりじりとすり足で進む様は、先達への愛と尊敬
にあふれている。かと思えば、“Devil’s Blood”や“All Hail”では一気に加速し、ねずみ
花火みたいにあちこち飛び回る。これまで積み上げてきたキャリアと、自分たちが子
どものころから大好きだった音楽が溶けあった、とても自然かつプリミティヴなサウン
ドなのだ。

一貫してヘヴィかつ凶暴ながら、そこいらの筋肉自慢みたいなハードコアとは一線を
画すサウンドで走り続けてきたCANCER BATS。すでに個性と人気は確立されている
彼らだが、この新作でその存在感をさらに数段上に高めてみせた。バンドとしてひとつ
のスタイルを極めたことで、今後にさらに期待させてくれる強烈作だ。


text by Yusuke Mochizuki


 CANCER BATS
 『SEARCHING FOR ZERO』
 3月6日発売