通算12枚目の新作で、
KORNは再び新たな音楽的領域に立った!!



いきなりこういうことから書き出すのもどうかと思うけど、いまだジョナサン・デイヴィスへの電話取材は実現してない。リクエストしてから早1ヵ月半ほど経つけど、まったく進展がない。今回はなぜゆえにここまでハードルが高いのかわからない。結局、日本サイドの取材を一切受けなかった4枚目『ISSUES』(99年)のときのことを思い出す。

本作『THE SERENITY OF SUFFERING』は、まさかのRoadrunner Recordsへの復帰を経ての通算12枚目で、ヘッド完全復帰2作目にあたる。プロデューサーはFOO FIGHTERS、STONE SOURほかとの仕事で名高いニック・ラスクリネッツが迎えられた。KORNとは初タッグだ。
今回もまた、これまでとは異なる方向にベクトルが向けられてる。前作『THE PARADIGM SHIFT』(2013年)よりさらに「脱エレクトロ」は進み、今作じゃ完全に切り離したと言っていい。前作を制作するにあたり、ヘッドが「完全にメタルな作品を作りたい」と主張したことが、今作で完全に反映されたんだろうか。今作を一番初めに聴いたとき、5枚目『UNTOUCHABLES』(2002年)と、続く『TAKE A LOOK IN THE MORROR』(2003年)のド真ん中をいく作風との印象を得たけど、何度か聴いていくうちに実はそうじゃなく、これまでのKORNの音楽史上にはない作風であり、ヘヴィネスであることがわかった。

相当ヘヴィだ。ギターリフがブ厚く、まるで壁のようでグイグイ押してくる。ときにはグロウルも飛び出すも、基本ジョナサンのヴォーカルはキャッチ―でよく歌ってる。曲も1曲1曲がコンパクトだ。こうしたヘヴィネス、アグレッション、そしてキャッチネスの三位一体はこれまでになかったバランス感で、ヘッドが参加した過去のどの作品とも違い、異なる。“Insane”“Next In Line”ではDJによるスクラッチ音が被され、“Rotting In Vain”じゃ再びジョナサンによる「絶叫スキャット」が炸裂する。ジョナサンに「今作はなぜこういう作風になったの?」と訊いても、その答えはだいたい見えてる。「そういうふうにしたい気分だったんだよ」と(笑)。作風に関して、どんなに細かく具体的な分析的質問を投げても、ジョナサンはそれにはほとんど言及しない。昔からそうだ。たった一度だけ、前々作で10枚目『THE PATH OF TOTALITY』(2011年)のときは違い、進んで具体的に語った。エレクトロとの融合という特殊な作風だったからだろう。

今作でKORNは改めて新たな音楽的領域を切り開いた。同じことを繰り返し、一ヵ所に留まることをよしとしない、実に彼ららしい作風であり、そのすべてが強烈でカッコいい!!


text by Hiro Arishima


 KORN
 『THE SERENITY OF SUFFERING』
 10/21発売