チェロ、ドラム、ヴォーカルが一体となった、
鋭くしなやかな唯一無二のヘヴィサウンド!


ザクザクと刻みつけるようなチェロによるリフが重苦しい“I-III-V-Seed of
Chaos”で幕を開ける今作。しかし次の“Cold Blood”へと繋がると一転、
しなやかで情熱的な歌声が、重い空気をほぐす様に暖かく響く。

チェロとドラムによるメタルバンド、APOCALYPTICAによる、前作から約
4年半ぶりとなる8作目『SHADOWMAKER』。今作は、これまで以上に
ヴォーカルに焦点を当てた作品だ。そしてギターやベースではなく、チェ
ロでメタルを演奏するこだわりを存分に発揮した作品でもある。ヴォー
カルは、SCARS ON BROADWAYのギタリストやソロ等でキャリアを積
んだフランキー・ペリッツが務めている。オーディションによって選ばれた
存在ではあるが、チェロの音色との親和性は抜群。感情をしぼり出す
様な歌い上げが印象的な“Slowburn”を始め、ニヤリとした笑みが目に
浮かぶような“Come Back Down”の不敵なトーンなど、幅広い表現力
の歌声が本当に魅力的だ。

一方で、チェロならではの奏法やスラッシュメタルを経由したリフの鋭さ
も随所で睨みを利かせており、トランス色を混ぜ込んだ“Riot Lights”の
切迫したサウンドは、存在感抜群だ。そしてそんな中でも、タイトルトラッ
ク“Shadowmaker”は特に際立っている。密やかなメタルバラードとして
幕を開け、熱をこれでもかと蓄えた後に一転して目まぐるしいインストゥ
ルメンタル・パートで暴れまわる中盤。そして、リフレインがまとめ上げる
クライマックス。7分半の中に様々なこだわりが凝縮された、まさに渾身
の一曲だ。

近年、FPSゲーム『MAG』のサウンドトラックやワーグナー生誕200年記
念のミュージカル企画『WAGNER RELOADED-LIVE IN LEIPZIG』等、
エイッカ・トッピネンの精力的な活動が続いていたAPOCALYPTICA。今
後さらに知名度を高め、様々な活動へと繋げてほしい。今作は、そんな
期待感を持たせてくれる完成度の高い逸品だ。


text by Hiroaki Mori

 APOCALYPTICA
 『SHADOWMAKER』
 4月22日発売