アグレッシヴ&メロディアスを
ストレートに炸裂させた、原点回帰の5th!!


UKメタル御大BULLET FOR MY VALENTINEによる、2年ぶり5作目となるアルバム。なお、バンドは2015年にキャリア初のメンバーチェンジを経ており、ベースに新しくジェイミー・マサイアスが加入している。

今作の魅力は明快だ。スラッシュの王道を思わせる「速さ=正義」と、エモの美意識を感じさせる徹底したメロディへのこだわり。パワフルに疾走する攻撃性を主軸に据えつつも、楽曲の全体像はむしろ爽やかさが目立つ。マシュー"マット"タック(vo,g)の語る「俺たちたらしめているものは何か」を追及し、研ぎ澄まされたものが強く感じられる。 不穏で重苦しいイントロトラックから一気に爆発する“No Way Out”、中盤でツインギターがぶつかり合うソロパートになだれ込み、サビのリフレインで堂々と締める“Army Of Noise”、そして硬質な刻みのリフが冴えわたる“Pariah”に至るまで、とにかくどストレートに突き進み、ドラマチックに盛り上げる。初期衝動的なエネルギーを垣間見せる疾走チューンの威力は、正に圧巻だ。

また、速く激しい楽曲陣で攻め立てる一方で、ミドルチューンも無視できない。イントロでシンガロングを誘いつつ、哀愁を漂わせるサビに繋げる“You Want a Battle? (Here's a War)”や、幻想的なクリーントーンの中で情感豊かに展開するヘヴィバラード“Venom”など、メロウな要素も随所で存在感を主張している。

スラッシュ・メロデス由来の爆発力でヘドバンを誘いつつ、魅力の核としてはスクリーモの爽やかさを思わせる。切れの良いサウンドや歌を聴かせるサビの存在には無駄が無く、激しさを散りばめる中でどこまでもキャッチーだ



text by Hiroaki Mori

 BULLET FOR MY VALENTINE
 『VENOM』
 8月19日発売