“有島博志だけが書ける現場目撃秘蔵ヒストリー”なんていう大仰なタイトルをつけてこの連載を
始めたのが、今年1月中旬。2月に通算4枚目の新作『TEMPER TEMPER』発売があり、その前
から少しでも機運を高めることができたら、多くのファンの人たちのテンションも上がってくれれば
という想いでスタートした(当時はまだ、3月の来日は発表前だった)。言うまでもなく、HMVオンラ
インで継続的にやってる同様のヒストリーシリーズ(THE OFFSPRING、MARILYN MANSONは
終了、LINKIN PARKと10-FEETは引き続き連載中)にならって、だ。

とても幸運なことに、自分は初ミニ作『BULLET FOR MY VALENTINE』(2005年)で日本正式デ
ビューする直前の頃から、現場でBULLET FOR MY VALENTINE(BFMV)に会うことができ、いろ
いろなことを目撃することもできた。それ以降もとにかく現場に赴き、そこで繰り広げられるさまざ
まなことを目の当たりにし、それらから放たれる空気などを肌で感じることに、結果的にこだわった。
こうしてきたのはなにもBFMVだけではないけど、自分にとってBFMVが“とてもスペシャルな存在”
であることは間違いなかった。現場に赴き、対面取材し、ライヴを観たら帰国後、即持ち帰った模様
などをGrindHouse magazineに記事として掲載し、FMラジオ番組のGrindHouse fmや、TV番組
であるGrindHouse tv(現在休止中)などでリポートし続けた。が、しかし、そうし続けても伝え切れな
いことがたくさんたくさんあった。それは決して出し惜しみしたり、隠したりしてたわけじゃなく(笑)、あ
くまでも誌面のスペースの都合や、番組の時間の問題で書けず、話せずでのことだった。そういっ
たことを今、時間軸を忠実に追いながら事実確認もしつつ書き綴っていったのが、この連載だ。記憶
のはるか彼方のまた彼方から物事を呼び起こす作業は、ときにまるで自身の歴史を発掘してるかの
ようにすら思えたほどだ。

連載初期に書いた。自分がどういうふうにBFMVに瞬間的に突き動かされ、いてもたってもいられな
い状態となったかは。初ミニ作のド頭を駆る“Hand Of Blood”その1曲で完全に持っていかれ、トバ
されたからだ。こういう書き方をすると誤解を招くかもしれないけど、そのときは1曲で十分だった。
“Cries In Vain”でも、また“4 Words (To Choke Upon)”でもなく、どうしてもその1曲だったのだ(笑:
“4 Words~”は2ndフェイバリットチューン)。メタルなのか、それともスクリーモ/ハードコアなのか…
正直そんなことはどうでもよかった。それぐらいその1曲は新鮮でカッコよく、破壊力、説得力満載
だった。インディーギターロックが完全に主導権を握ってたブリティッシュロック界から突如彗星のご
とく現れた、みたいな飛び出し方も大いにソソられた。それがすべての始まりだった。それからという
ものイギリスを振り出しに、日本はもとより、アメリカまでことあるごとにBFMVを追い、取材し続けた。
取材で会えば会うほど、話を聞けば聞くほど、若きマシュー“マット”タック(vo,g)という男に興味を持ち、
魅かれていったのも事実だ。彼らの地元ウェールズも訪れ、US南部アーカンソー州リトル・ロック(か
のEVANESCENCEの生誕地でもある)なんていう普段取材でも進んではいかない遠方にまで足を
伸ばした。ここまでところ構わず取材であちこち追っかけたバンドは自分の仕事の今日までの経験上
LINKIN PARKと、このBFMVだけだ。今現在の音楽市場のあり方、ロックシーンの構造から言って、
悲しいかな今後BFMVのようなバンドがしょっちゅうメタル界から出てくるとは到底思えない。それだけ、
自分にとってBFMVとは“血湧き肉躍る”存在だ。そういうバンドにいち早く出会え、どういう環境であっ
ても必ず取材を受け、その機会を提供し続けてくれてるBFMVに心より感謝したい。たくさんのことを経
験させてもらい、数多くの思い出も作ってくれている。

この連載はひとまず今回で終了する。もちろんBFMVはこれからも前進し続けるし、自分もBFMVを取
材し続けていく。近々、この連載とも通常の取材記事とも異なる内容の記事をGrindHouse webに掲
載する予定だ。ご存知のとおり、今夏サマソニ出演も決定してる。その来日の際は当然、取材をさせ
てもらう予定だ。先日の来日のときマットに訊いた。「サマソニ後は2014年明けぐらいに単独公演で再
来日し、あちこち巡演するんでしょ?」と。すると、マットからはこういう答えが返ってきた。

「どうなんだろうね、現時点じゃなにも決まってないに等しい状態だから。今年後半以降のスケ
ジュールはまだ、ほぼ白紙状態さ」


みなさん、長らくご愛読ありがとうございました。今後も引き続き一緒にBFMVを応援していきましょう!