対談は、対面取材のなかでももっともハードルの高い類のものだ。第一に対談に出席してもらう者同士
が少なくとも顔見知り、欲を言えばある程度のつき合いがある、っていうぐらいの関係じゃないと、まず
成立しないし、うまくもいかない、運ばない。互いに初対面っていう2人による対談の進行訳を務めたこと
が過去何度かあるけど、まー盛り上がんないのなんの、お寒いのなんの、でけっこうシビれた(苦笑)。
まさに“負の思い出”だ。なんの自慢にもなりゃしないけど、自分にはそういうのがいくつかある(苦笑)。

でだ、BULLET FOR MY VALENTINE(BFMV)のマット・タック(vo,g)と、AVENGED SEVENFOLD(A7X)の
M.シャドウズことマット・サンダーズ(vo)による対談である。2人が顔見知りか否かは数時間前に実現した
ツーショット写真撮影時にある程度は掴めてたけど、なにしろA7Xのマットは本番前だったことから喋らない
どころか声も出さず、だったので、BFMVのマットも気遣いあえて話しかけようとはしてなかったため、その
“関係値”がどのくらいのものなのかまではわからなかった。よって対談がうまくいくか、いかないかは“ぶっつけ
本番”でやるしかなかったのだ。対談場所として指定されたのは、写真撮影をしたのと同じ楽屋裏に並ぶ小部屋
のひとつだった。最初に姿を見せたのはA7Xのマットだった。写真撮影のときとは打って変わって、満面の笑み
で喋り倒し出した(笑)。映像収録が入ってたライヴを終え、その出来にも満足してる、と饒舌に語った。その
最中にBFMVのマットが部屋に入ってきた。両マットは改めて握手し、軽く言葉を交わしつつ(どういう内容だった
かは記憶になし:笑)席についた。そのホンの数分間の2人の表情や雰囲気を目の当たりにしながら「よっしゃ、
対談は絶対にうまくいくっ!」と確信した。まずは参戦中のTaste Of Chaos Tour 2008(TOC)について切り出して
みた。すると、BFMVのマットが口火を切った。

「かなりイイ感じだよ。一緒にツアーしてる
バンドのファンだし、友達でもあるから。
なかでもA7Xとアトレイユとは近い間柄でさ。
自分が音楽的にも人間的にも大好きでリス
ペクトしてる人たちと一緒にツアーできるって
いうのは、やはり嬉しいものさ」


そして、A7Xのマットがこう続けた。

「そう、ほぼ毎晩ツルみ、一緒に酔っ払ってる
もんな、オレたち(笑)。このツアー、これまで
のところスゴくイイ感じだよ。普段はいかない
ような小さな街にもけっこういったし、どの街も
キッズたちが狂ったように騒いで暴れてて、
最高だった。そんなこともあって、スゴくいい
ツアーになってる。今回、オレたちは初めて
大きなステージセットを組み、パイロや炎など
も使ってる。だからいろんな意味で、このツアー
はクレイジーだね。アトレイユとはそれほど
でもないけど、BFMVとはいつもハングアウト

してるね(笑)。ライヴが終わり、ツアーバスに乗り込むともう女の子たちがたくさんいて、オレたちもBFMV
もすでにみんなできあがってるから、そこでストリップショウが始まったりするんだ(笑)。だからオレたちは
なにもしなくてイイんだ、バスんなかは勝手に盛り上がってる。だけど、まだIDIOT PILOTやブレスザフォール
とはツルんだことがないんだ。きっとオレたちはイヤなヤツらって思われてるんだろうな(苦笑)」


BFMVのマットはこう返した。

「いやいや、そうじゃなくて、ただ単純にそのクレイジーなツアーバスんなかにいないってだけのことさ(笑)」

Wマットの馴れ初めはこうだ(笑)。

BFMVマット「初めて会ったのは2006年の(US南部フロリダ州)マイアミだったね。フェスティバルで
一緒に演ったんだ。で、同じ年にイギリスのDownload Festivalや、多くのヨーロッパのフェスに同じ
日に出たんだ。1ヵ月ほど、ほぼ毎日ね。そのときにもう何度もA7Xのライヴを観て、何度も一緒に
パーティしたりしてから(笑)」

A7Xマット「そうそう(笑)。だけど最初に会ったのって、(US中西部)オハイオ州のデイトンじゃなかっ
たっけ?フェスで一緒に演ったのは確かだけど…まぁイイや(笑)。で、その後、一緒にメタリカの
ツアーサポートでヨーロッパにいったんだ」

BFMVマット「その後はオーストラリアでもメタリカと演り、それからガンズ・アンド・ローゼズとのツアー
でも一緒だったんだよな」

A7Xマット「そう、知り合ってからもうだいぶ経つんだよ、オレたち」
BFMVマット「だから、このTOCTで前よりもさらに親しくなれたんだ。A7Xの新作『アヴェンジド・セヴン
フォールド』もイイし、ライヴも毎晩スゴい。フレッシュで、才能にあふれてて、実力のあるミュージシャン、
ソングライターの集団さ」

A7Xマット「ホメちぎってくれてありがとう(笑)。それはともかく、オレたちは一緒にいてとにかく楽しい
んだよな。初めてで会ったときは全員がスゴく酔っ払ってたから、好きかどうかって判断できる状況
じゃなかったんだけどさ(笑)。だけど今はA7Xのメンバー全員が、BFMVのことが好きなんだ。
みんな最高さ」


続いてお互いの第一印象に、と話を進めた。


BFMVマット「ゴッツい腕してんなあって(笑)」
A7Xマット「アハハハハハッ!、見た目で判断され
たわけね(笑)」

BFMVマット「言いたいのはそこじゃなくてさ、よく言う
じゃない、見た目で人を判断しちゃいけないって。
その典型的な例がマットだったんだよ(笑)。オレは
しょっちゅう見た目で判断されてるから」

A7Xマット「どういうふうに思われてんの?」
BFMVマット「傲慢な人なんじゃない?って(笑)」
A7Xマット「それはオレたちも同じ。“実際に一人ひとり
に会って、つき合ってみると、みんなクールガイだ”っ
て(笑)」

BFMVマット「同じ同じ(笑)。“音楽に情熱を持つクール
な連中だ”って」

A7Xマット「オレのBFMVの第一印象は…“スゴくうる
せぇ酔っぱらいだな、ヘンな連中だゼ”だった(笑)」

BFMVマット「アハハハハッ!」
A7Xマット「あまりにもうるせぇから“冗談だろ?”って
思ったもの(笑)。ムース(マイケル・トーマス/ds)な

んて“ショット飲んだぜぇ、ウォ~!!”とか言って走り回ってて、“コイツらヤリ過ぎだろ”って(笑)。最初
に会ったときの夜、オレたちはまったりしたかったけど、BFMVはひたすらクレイジーだった。だから次
に会ったときはオレたちの方から仕かけたんだ。“一緒に飲まない?”って訊いてムースにデカいショット
を注いでさ。で、一緒にクレイジーになった。最初BFMVがパーティしてたときはオレたちが乗り気じゃな
かったけど、次はオレたちのパーティにBFMVがノッたんだ。そのときはそういうレベルに留まってたけど、
このTOCじゃクレイジーさにより拍車がかかってるってわけさ(笑)」


その流れを受け、2人ともむちゃくちゃ仲がイイんだね?、と振った。

BFMVマット「うん。フェスで初めて会って以来、なんだかスゴくウマが合ってさ。それから仲のイイ友達
になった。互いに電話番号を交換し、しょっちゅう携帯メールを送り合ってたよ。アリーナとかのデカい
会場でライヴを演るときなんてなかなか会えなかったりするから、“今どこ?”って送るとすぐに返信して
くれてさ。そういう気さくなところも好きなんだよね」

A7Xマット「オレもまったく同じセリフを言いたいね(笑)」

ここまでを読んでいただいただけでもWマットの対談がとてもイイ感じで進んだことがわかってもらえるだろう。
互いの“関係値”がしっかり築けていれば、こうもうまく対談は進み、盛り上がる、という最良の例となった。対談
時間として厳命されたのは確か20~25分だったと記憶する。最後は来日公演の話で締めくくった。BFMVは
2008年5月に、A7Xは10月にそれぞれ再来日が決まってたからだ。

BFMVマット「ヤバいライヴにしたいと思ってる。(2枚目『スクリーム・エイム・ファイア』からの)新曲も
いっぱい披露するし、いいパフォーマンスをしたいし、これまでのライヴよりもっとショウということを
意識し、音楽に合わせてビジュアル的にも楽しめるものにしたいんだ。うまくいくことを願うよ」

A7Xマット「東南アジア一帯をツアーするから、その一環として日本にもね。オレたち、日本にいくのが
大好きだからさ。できるだけたくさんいきたいんだ」


対談終了後、時間は真夜中近かった。ロングビーチ泊じゃなかったので車でハリウッドに戻らなければなら
なかった。所要時間は1時間強。その間、自分が上機嫌だったことは言うまでもないだろう(笑)。

2月8日(金) @ 渋谷ロックのこころで開催のDJイベント
petit GrindHouse night Vol.201 feat. BULLET FOR MY VALENTINE迫る! 
ぜひ、お越しください! みんなで一緒に楽しみましょう!!



次回に続く…(2013年2月8日更新予定)