Taste Of Chaos Tour 2008観戦、そしてBULLET
FOR MY VALENTINE(BFMV)のマット・タック(vo,g)
と、AVENGED SEVENFOLDのM.シャドウズことマット・
サンダース(vo)との対談実施ほかを含むロサンゼル
ス出張から戻り、約1ヵ月ほどした2008年5月――。
BFMVの4度目の来日公演が実現した。4都市4公演。
どの都市の会場の規模もそれまでよりも大きくなり、
BFMVがここ日本で着実に人気、評価を高めてること
を強く印象づけた。

BFMVの取材に限ったことじゃなく、すべてのバンドの
それに言える。まず、バンドが所属する日本のレコード
会社に取材希望申請をお願いする。それは電話取材
でも、来日時や海外出張時の対面取材でも同じ。その
とき担当者に訊かれるのが、取材希望メンバーに取材
に必要とする時間(だいたい30分程度。LINKIN PARK
の10分とか20分とかは特例:苦笑)、そして写真撮影の
有無など。たとえば新作発売のタイミングでの電話取材
なら、自分は迷うことなく、相手をそのバンドのスポーク
スマンでお願いする。バンドにとっての新作発売のタイミ
ングっていうのはそのプロジェクトのスタートを意味する
ので、やはりスポークスマンにガッツリしっかり語っても
らい、まず作品の全体像を聞き出し、掴もうとする。
その後、そのバンドが来日する、もしくは海外で会うこと
ができるというときはガラッと取材のアングルを変える。
なにしろ話を聞きたいと思う相手が目の前にいるわけだ
から正直なんでも訊けるし、写真撮影をすることができる
のはもちろん、相手にポーズやシチュエーションに関し
て非常に細かい注文も出せる。連載第2回に、初来日の
ときの写真撮影の話を書いた。白いバラの花束と血のりを
使い、初期のバンドロゴのデザインと、“Hand Of Blood”を

かけ、転化させたような写真にしたかった。これなども、バンドがその場にいたからこそできたことだった。

これまでの連載を読んでいただければわかるとおり、それまでに何度もBFMVに取材をしてきた。やはり
マットが主だったけど、パッジ(g,vo)、ジェイ(vo,b)、ムース(ds)にも話を聞いてきた。で、4度目の来日時
に「さて、今回取材をどうゆうものにしよ」となったとき、ふとこんなことが頭をよぎった。マットが以前ポロッ
と言ったことだ。

「服を買いにいく時間があるんなら、オレはその時間を個人のギター練習やバンドのリハーサルに
充てるね。いっつも鏡を見つつあーでもこーでもないと髪の毛をイジくってるのもどうかと思うよ(苦笑)」


実はこのポロッと発言、ジェイに対してのものだ(笑)。BFMVで1番のオシャレさんは言うまでもなくジェイ。マジで
会うたびにヘアスタイル違うし、ファッションの傾向も異なる。シャツやアウターやパンツにけっこうこだわりがあり、
サングラスやアクセなどの小物に関しても同じだ。今日までに本人にそういうことを直接訊いたことはないけど、
間近で見てれば一発でわかる(笑)。コーデにも着こなしにも“彼らしさ”がある。


で、こう書いててふと思い出した。まったくの余談
だけど、LOSTPROPHETSのイアン・ワトキンス(vo)
もかつて、同様のことを“影”でほかのメンバーに
言われてた(笑)。

「アイツ、いっつも鏡を見ちゃ髪をイジくりながら
自分に酔ってんだよ」


2度目の単独来日をした2005年初頭、東京都渋谷
区宇田川町界隈で寒風吹きすさぶなか写真撮影を
した。なんパターンかグループショットの撮影をして
る最中、ロケーションを変えるたびにイアンは近くに
止まってる車のサイドミラー相手に髪をイジってたし、
それが個人ショット撮影になると“入念さ”を増したん
だから驚いた(笑)。で、思った。

「ホ、ホントだ、スゴッ!!」と(笑)。

こんときの写真は2005年1月31日発売の
GrindHouse magazine Vol.28の裏表紙と、中面の
巻頭特集に掲載した。右にあるのが、それだ。









話を戻そう。「んじゃジェイにそう言うマットはどうなのよ?」
となり4度目の来日時の対面取材相手をマットでお願いし、
あえて彼のファッション感について訊く、というアングルに
決めた(笑)。バンTを好み、ジーンズに黒のCONVERSEの
ローカットスニーカーという初歩の、また初歩のイメージを
もって取材に臨んだ。

「いつもほとんどそんな感じだよ。今日はたまたま、
バンTじゃなく“CRIME”と描かれたヤツだけど(笑)。
アメリカのスーパーWal-Martで、12ドルで買った
安物さ。しょっちゅうツアーに出てるからバンTは山
ほどある。ほかのバンドと交換したりもするから。
おかげでその量の多さはハンパなくて、家のクロー
ゼットがまさにとんでもないことになってる(苦笑)。
大量のTシャツで埋もれてるもん。今回のツアーか
ら帰ったら処分しなきゃ(苦笑)」


(――んじゃ着たいと思うお目当てのTシャツに辿り着くま
でに大変でしょ? という質問に対し)

「そのとおり! 3列ぶんくらいすべて黒Tだし、たたん
であるから見つけにくい(笑)。だけどオレはファッショ
ンコンシャスじゃないから細かいことは気にせず、手
にとったものをそのまま着てるよ。お気に入りのバンT
の1番はなんと言ってもカンニバル・コープス! バンド
やその音楽に興味がなくても、あの身の毛もよだつよ
うな気持ち悪いイラストは最高さ。ノドを手術した日、
オレは病院にカンニバル・コープスのバンTを着ていっ
たんだけど、看護師に上からジャケットをはおるように
注意されたよ。“待合室にいる子供たちが怖がるから”
って(爆笑)。確かに血が飛び散ってるイラストだった。
それに続くお気に入りはメタリカで、次はたぶんスレイ
ヤーかな」


そして、ジーンズやスニーカーについてこう言った。

「ジーンズは明るめの色合いのよりも、たいていダークなヤツを好んで履くね。あと今日のようなスト
レートも履くけど、もっとピタッとしたタイトなヤツも好き。ブランドは特に気にしない。Wal-Martで買う
こともあれば、Dieselを買うときもある。価格帯も10ドルから1,000ドルと幅広いんだ。スニーカー関し
てはここ4、5年はずっと黒のCONVERSEで通してる。ライヴでも、写真撮影とかでも、これ以外には
考えられない。どうしてかわからないけど、シンプルなこのCONVERSEが一番さ。で、絶対ローカット。
オレの足は細いから、ハイカットだと履き心地がよくない。パンツもタイトなのを履くし、カラーは黒。
服も黒系が中心だから。スコティッシュタータンチェック柄のCONVERSEも持ってるけど、アレを履くと
パンクロックっぽく見えるんだよね(笑)」


そして、最後に自身のファッション感についてこう言い、締めくくった。

「オレは決してファッションコンシャスな人間じゃないからシンプルっていうか、定番スタイルっていうか
でさ(笑)。冬なんて、バンTの上にパーカーやジャケットを着たりするぐらいだもの。それで十分さ。髪型
を整えるのを忘れた日は、今日みたいに帽子を被るようにするぐらい(笑)。どっちにしろ髪型にも気なん
て遣っちゃいないけど。オンでもオフでも1年中同じ髪型だから。確かに今の時代、メタルバンドにはヴィ
ジュアルイメージは大事さ。だからやろうと思えば、いくらでも凝り、こだわることはできる。イメージコン
シャスで、常にヴィジュアル面を変えるバンドもたくさんいる。それもわかるけど、オレは服を買いにいく
ヒマがあるならスタジオで曲を書くね(笑)。ロストプロフェッツみたいにルックスにこだわることだってでき
るし、フー・ファイターズのようにいつもカジュアルな格好だってできるんだよ」


取材中、改めてジェイの話題も出た(笑)。今回TOP
ページのスライダーからヘッダーに使った写真は、
この取材んときに行った写真撮影のもので、連載
前回同様、これまでに未掲載、未公表だったものだ。

また2008年7月31日発売のGrindHouse magazine
Vol.49(写真右)に、このときの取材記事と別写真を
掲載した。

今、マットは髪を切り、ショートになってる。
ただクセっ毛で、『FEVER』(2010年)発売直前に実現
した地元ウェールズでの現地取材んときは、ロン毛を
アイロンでしっかと伸ばしてから写真撮影に臨んでた
ことを、最後につけ加えておく。
















本日2月8日(金) @ 渋谷ロックのこころで開催のDJイベント
petit GrindHouse night Vol.201 feat. BULLET FOR MY VALENTINE
ぜひ、お越しください! みんなで一緒に楽しみましょう!!


次回に続く…(2013年2月12日更新予定)
写真・神戸健太郎photography by Kentaro Kanbe