すっかりお膳立てはでき上がってたんである――。

BOYS LIKE GIRLS(以下BLG)の2枚目の新作『LOVE DRUNK』の発売日が日本先行で
2009年9月2日にセットされた。その約1ヵ月前に開催のサマソニ2009参戦での再来日も
決定していた。しかも今作は、前作『BOYS LIKE GIRLS』(2006年)に輪をかけたような
モダナイズされたカラフルなポップ&キャッチー作で超ご機嫌に! で、速攻Webサイト
チェックしてみたところ、ものスゴくいいタイミングでBLGはUSクラブツアーに出ていて、
しかもまさにズッパマりの月日にハリウッド公演が!「よっしゃ! ハリウッド行く!」とものの
数分間で現地取材を決めた。こういうふうに事がパンパンパンってな感じでつながったときは、
自分にとっちゃその想いをgo!! のサイン(笑)。実行に移すにあたり、多少の難しさや、面倒
くささのようなもんがあったとしてもそんなのどこ吹く風、見て見ぬふりをしながら日本の
レコード会社に現場での取材と写真撮影とライヴ観戦のリクエストを出し、フライトをブックし、
ホテルを押さえる。この時点で、自分の想いは思いっ切り日付変更線の向こうにいってる(笑)。
これは自分の信条で、流儀でもある。ことわざ的に言えば、完全に「思い立ったら吉日」だ(笑)。

6月30日、会場はニッティングファクトリー。ロサンゼルスの目抜き通りのひとつハリウッドブー
ルヴァード沿いにあるちっちゃなクラブだ。ロスの観光名所のひとつとして有名なグローマンズ・
チャイニーズ・シアターからワンブロックのところにあるビルの地下1階にある。当日の段取りは
マーティン・ジョンソン(vo,g)との対面取材→写真撮影→ブレイク→ライヴ観戦だった。指定され
た取材開始時刻より早めに会場に着き、周辺で写真のロケハンをしてたところ、突如我々の
ところに上下をバシッとスーツで決めた女性が現れ、「アナタたち、ここでなにをしてるの?
ちゃんと我々から許可を得てるのかしら?」と言われた。取材と写真撮影できた旨を伝えると、
「会場敷地内を撮影などで使用する場合、料金が発生する」と。「まいったなー」と心んなか
でつぶやきつつ金額を尋ねると、「使用時間にかかわらず、1回1,500ドル」と真顔で言われ、
唖然とさせられた(汗)。当時のレートでだいたい15万円弱。まさに「高っ!!!!」だ(苦笑)。

実は会場によってはこういうことはたまにある。
だけど、そのほとんどがバンドのライヴ映像
収録の場合で、写真撮影で使用料を言われた
のはこのときが初めてだ。会場の営業部長だ
という彼女にけっこう粘ってみたもののどう
にもこうにもラチが明かなかったので、その
場での写真撮影は断念せざるを得なかった。
本来ならば現地のレコード会社より指示を受け、
バンドのツアーマネージャーが事前に会場側に
確認すべきなのだけど、それがちゃんとなされて
いなかった結果だった。
で、このことをマーティンとツアマネに相談した
ところ、取材終了後に会場近くのBLGの投宿
ホテルの部屋のなかでやろうということになった。
そのときの写真群は、同年7月31日に発売した
GrindHouse magazine創刊9周年記念号となる
Vol.55(写真左)の裏表紙と、中面の特集内に
ふんだんに掲載した。






マーティンに対面取材したのはこのときが初めて。こちらの質問に対し、きちんと要点を押さ
えて答えるという明晰さと、始終笑顔を絶やさない明るさを併せ持つ人との印象を得たけど、
時折ふと表情に浮かべる“影”が“男らしさ”を思わせた。それまでは背が高く、線も細いという
イメージが強かったゆえに、それ以来彼に対する印象が少し変わったように思う。最後の
最後まで彼には通じなかったのだから質問にはならなかったのだけど(笑)、バンド名の由来に
ついてヘンなアングルで訊いみた。BOYS LIKE GIRLS=そのまんま“男子は女子が好き”という
意味なのだけど、“女子のような男子”ともとれなくもないし、当時“草食系男子”という言葉が流行
し、そういう男子たちが増殖中だったので、「バンド名はそういうふうにも解釈できるけど」と向け
たところ、「へぇ、そうなんだ」とフツーにスルーされた。笑いをとり、取材を少しでも盛り上げよう
としたものの見事なまでにハズしたケースとなった(笑)。正直に言うと、自分は取材中たまにこう
いうことをしでかす(笑)。

前作が本国アメリカだけで50万枚以上売れ、ゴールドディスクに認定されたということもあったろう。
その夜は完全にソールドアウト。連載前回に書いたハウス・オブ・ブルースのときと同様、場内は
ティーンエイジャーたちでギッシリ満杯だった。会場の規模が小さいぶん熱さや臨場感などはより
濃密で、楽曲が終わるたびに黄色い歓声がまるで渦巻き状になって場内いっぱいに広まり、大変な
盛り上がりだった。以下、その夜のセットリストだ。まだ今作が発売前だったにもかかわらず、
いきなり新曲“Love Drunk”で始まったのには驚かされた。

  • 01. Love Drunk (new song)※当時
  • 02. Hero/Heroine
  • 03. On Top Of The World
  • 04. Five Minutes To Midnight
  • 05. Broken Man
  • 06. Dance Hall Drug
  • 07. Learning To Fall
  • 08. Heart Heart Heartbreak (new song)※当時
  • 09. Thunder
  • 10. Up Against The World
  • 11. Heels Over Head
  • -Encore-
  • 01. Holiday
  • 02. The Great Escape


  • それから1ヵ月強ほどして、BLGはサマソニ
    への参戦で再来日し、東京初日8月7日の
    1番手としてマリンステージに立った。
    炎天下で短いセットながら熱演を繰り広げ、
    観客の反応も好意的なものだった。そして、
    続くセイオシンにバトンを渡したのだった。
    その約1ヵ月後に発売された今作も出足は
    超順調だった。






    次回に続く…